時代の風：ドイツ首相の訪中 内政安定、外交に道探る＝高原明生・東京女子大特別客員教授 | 毎日新聞

岸田文雄首相が米国を公式訪問し、9年ぶりに日本の首相として米議会で演説を行った。その評価はここでは行わないが、帰国後に岸田内閣の支持率は数％上がったようだ。自民党の派閥のパーティー裏金問題で被ったダメージを少しは回復できたということだろう。 経済が振るわない中国の習近平国家主席も、活発な首脳外交を展開している。 一つには、経済の回復のために投資を呼び込み、先進技術を導入する売り込みに直接乗り出している。3月下旬には、訪中した米国企業の最高経営責任者（CEO）たちと会見し、米中それぞれの成功はお互いにとってチャンスであり、中国経済は健康で持続可能だとアピールした。また、高度な半導体製造技術を有するオランダの首相には、オランダの高品質製品の輸入拡大を希望する、人為的な科学技術の障壁は分裂と対立をもたらすだけ…