海自ヘリ墜落 自衛隊が抱える構造的な課題とは 元海将の忠告 | 毎日新聞

伊豆諸島・鳥島の東海域で4月20日に海上自衛隊のヘリコプター2機が墜落した事故は、搭乗員1人が死亡し、7人が行方不明となっている。「訓練で隊員の犠牲を絶対に出さないためには……」。元自衛隊海将の伊藤俊幸さんは、古巣が抱える構造的な課題を念頭に、対策の強化を訴える。 【聞き手・木原真希、原田啓之】 ――今回の事故は「対潜水艦戦」を想定した訓練中に起きました。墜落した2機は、別の1機とともに敵役の潜水艦を探し、追尾している時に衝突したとの見方があります。 ◆対潜作戦（潜水艦に対する作戦）の訓練中にヘリコプター同士がぶつかった事故は聞いたことがありません。 （海上自衛隊幹部の群司令が）部下隊員の技量を「査閲」する（調べる）場ですから、各部隊は訓練を重ねてレベルを高めてから参加しているはず。しかも対潜作戦は、海上自衛隊が得意にしてきた「お家芸」です。それなのに事故が起きたことに、ショックを受けまし