佐藤太清生誕110年 重鎮の足跡たどる 万葉文化館で7月7日まで特別展 明日香 ／奈良 | 毎日新聞

未完の万葉日本画「竹韻」も 文化勲章受章画家の特別展「生誕110年 佐藤太清（たいせい） 水の心象」が明日香村飛鳥の県立万葉文化館で開かれている。文化館の依頼で制作を始め、未完で終わった万葉日本画「竹韻」（1996年）のほか、「水」をテーマに描いた作品を中心に紹介している。7月7日まで。 太清は1913年、京都府福知山市生まれ。花鳥画と風景画を融合させた新分野「花鳥風景画」を確立。日本画壇の重鎮として戦後の日展を支え、2004年、90歳で亡くなった。 「竹韻」は、大伴家持が平城京の自宅庭の情景から春の愁いを詠んだ歌「わが屋戸（やど）の／いささ群竹（むらたけ）／吹く風の／音のかそけき／この夕（ゆふべ）かも」が主題。風にそよぐ竹の葉と三日月が描かれている。