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中村文則の書斎のつぶやき:「下」を見て安心する人たち | 毎日新聞
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中村文則の書斎のつぶやき:「下」を見て安心する人たち | 毎日新聞
学生の頃、とても暇な喫茶店でアルバイトをしていた。 自家焙煎(ばいせん)のコーヒーはものすごくおい... 学生の頃、とても暇な喫茶店でアルバイトをしていた。 自家焙煎(ばいせん)のコーヒーはものすごくおいしく、僕がコーヒー好きになったきっかけの店だった。 でも、お客が全然こない。こだわったコーヒーの値段が高かった。安くコーヒーが飲めるカフェのチェーン店が、地方にも多く進出した時だったように思う。 今振り返れば、新商品を考えたり、ビラでも配ったり、色々(いろいろ)方法はあったかもしれない。でも僕は、仕方ない、と思っていた。そしてマスターは、僕よりもっと、仕方ない、と思っていたように見えた。 マスターの日課は「他の飲食店を見て回ること」だった。見回った後「他も空(す)いていた」といつも少しうれしそうに言っていた。同じか「下」を見ることで、安心していたのかもしれない。そうすることしか、できなかったのかもしれない。僕が卒業した後、その店はなくなった。