王のいない将棋ほど面白いゲームはないかもしれない｜Ajitama

―「主役なき組織」から学ぶ、自律と創造の時代のリーダーシップ―「王のいない将棋ほど、面白いゲームはないかもしれない。」 これは、ある経営者と話していたときに、ふと出た言葉だ。最初は冗談のように聞こえた。将棋に王がいなければ、それはもうゲームにならないじゃないか――。けれども、その言葉には、組織やキャリアにおける“本質”が隠されているように思えて、ずっと頭から離れなかった。 王の役割は「守られること」？将棋において、「王」は絶対的な存在だ。勝敗はすべて王の生死にかかっている。王が詰まれれば、その瞬間にゲームオーバー。だから、すべての駒は王を守るために動く。時に身を捨ててでも、王を延命させようとする。 これは、旧来的な組織モデルにも似ている。トップ（社長、経営者、リーダー）が「王」となり、組織はその意思に従い、護衛するように働く。命令系統は明確で、情報も上から下へと流れる。リーダーの決断が遅れ