表現アートセラピーにおけるアートとは｜小野京子

表現アートセラピーでは、さまざまなアート表現を使います。絵や、ムーブメント、音楽、物語や詩を書くなどです。これらのアート表現は、どのような作用を私たちにもたらすのでしょうか。 アート表現はもともと人を生き生きさせる活動だと私は考えています。アート表現をしているときは、普段の悩みを忘れ、頭で考えることから離れ、無心になって自分の感覚や感情と触れています。絵を描くことで言えば、何色を使いたいか、ぬりつぶしたいのか、優しく塗りたいのかなど、すべてのアート行為が自分の内面、感覚や感情と関わっています。どんな表現をしてもそれに間違いはありません。どんな自分であっても出てくる表現を批判せず受け止めていくと、心のエネルギーが増していきます。 アートは、小説にしろ、絵にしろ、音楽、踊り、演劇、映画にせよ、人の苦しみ、喜び、素晴らしさ、悲しみ、怒りなど、人の体験するすべての体験を、表現することができます。ア