"本当に望めば"、叶う。｜はなな

わたしが所属していた大学ゼミの担当教授は、専攻の中でもっとも厳しいことで有名だった。 ゼミ生に対する大量の課題、容赦なく降り注ぐフィードバック。学生のわたしにとってはたしかに厳しかったけれど、教授の言っていることは的確そのものだった。 厳しかったのはゼミ生に対してだけでない。自分自身の研究と、（ぺーぺーの）生徒への指導に惜しみなく時間を使い、ここ数年は睡眠時間が平均3〜4時間だというから驚きだ。20代の私でも体力的にも精神的にもキツイだろう。今思えば、教授はありあまる知識と愛のある人だったのだ。 …… 先日、ゼミの同窓会が開催され、教授と卒業生との再会を喜んだ。わたしは去年卒業したばかりなので、めちゃくちゃ久しぶりというわけではなかったが、学生時代はなんとなく距離を感じていた教授とその卒業生たちが和気あいあいと再会を楽しんでいる様子はなんだか心地よかった。 年代を越えての歓談をしばらく楽し