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忘却に抗う「獣」(黒瀬陽平)|ポリタス 誰がための復興
今年も、3月11日がやってきた。震災から8年が過ぎたことになる。 8年という時間は、長いとも短いとも言... 今年も、3月11日がやってきた。震災から8年が過ぎたことになる。 8年という時間は、長いとも短いとも言える。8年かけてようやく日常が戻ってきたという声もあれば、山積みになっている未解決な問題を処理するためには、まだまだ時間が必要だという声もある。それらはどちらも真実だろう。 ひとつだけはっきりしているのは、ぼくたちは年々、震災について語らなくなっている、ということだ。これは美術の世界でも同じで、美術館での企画展やコンペ、美大芸大の卒業制作展でも、震災をテーマにした作品は、年々少なくなってきている。これは首都圏だけに観測される事象ではなく、東北での展覧会や卒業制作展も、概ね同じような傾向にある。 8年経って、徐々に震災の傷が癒えてきたのだ、と捉えることもできるだろう。たしかに、心の傷が癒えるためには、適度な「忘却」が必要である。震災の傷を片時も忘れることなく、常にトラウマティックな苦しみに苛
2019/03/11 リンク