【同人誌レビュー】cain【milk pot】 - すまどう！～スマホで読める電子同人作品の徹底レビュー！～

cainの購入はこちら cain：モノクロの静寂と、鮮烈な感情の奔流 本書『cain』は、アイドルユニットcain、九条ライガと八乙女シイラを主人公とした、全12ページ(表紙含む)のモノクロ同人誌だ。メディアでは神秘的なイメージを保ちつつ、裏では激しい葛藤を抱える二人の姿を、静謐なモノクロの絵柄で描き出している。短編ながら、二人の関係性、そしてcainというユニットの成り立ちや内面に深く切り込む、密度濃い作品であった。 圧倒的な静寂と、そこから滲み出る感情 まず目を奪われたのは、モノクロの表現力だ。繊細な線と大胆な影の使い分けによって、キャラクターの心情や、シーンの持つ空気感が実に効果的に表現されている。特に、ライガとシイラの表情の変化は、言葉以上に彼らの感情を伝えてくる。怒り、悲しみ、そして時に垣間見える優しさ。モノクロだからこそ際立つ、感情の濃密さ、それはまさに圧巻だ。背景の簡略化も、