月見ヶ池（創作掌編）～ハヤさんの昔語り＃2-2～ - かきがら掌編帖

在宅の仕事でアイデアに詰まり、気分転換を兼ねて散歩に出た。 「いい月夜ですね」 といって、ハヤさんもついてくる。 中天にかかる月は明るく、私は額のあたりに、ひんやりと澄んだ光を感じながら歩いた。 「なんとなく、頭が冴えてきたような気がする」 「それはよかった。月には神秘的な力がありますからね。そういえば、僕が寸一だったころ──」 ハヤさんが、行者として生きていた前世の記憶を語り始める。 △ ▲ △ ▲ △ 山朽家は何代も続いた長者の家だったが、主の留守中に、家人と使用人が毒茸にあたり、ほとんど全ての者が亡くなった。難を逃れたのは、外へ遊びに出て気をとられ、昼飯を忘れた末の娘ただひとりだった。 主は屋敷を閉め、生き残りの娘を連れて出て行ったきり、十数年戻らずにいる。 長者屋敷の広大な庭の奥には「月見ヶ池」という池があった。 漆を塗ったような水面に映る月影は、本物の月もかくやと輝き、折に触れ月

[toikimi]

id:KihiminHamame さん、いつでも月ウサギ謹製つきたての餅が食べられる、とか？

[flightsloth]

強すぎる力を求めたひとの末路なのでしょうか。シリーズものって、どんどん面白くなってきますね。

[bob0524]

英語で cry for the monn　は、ないものねだりのことですから、人間が月を欲しがってはいけないのでしょう。

[ballooon]

『日』と『月』は、姉弟神、ですか！なんかステキな世界観です。私はいつも不思議でした。日食、月食って月も太陽も地球から見ると、大きさがほぼ同じってことが。でも納得できた気がします。

[keystoneforest]

月はきっと何かを隠している。わたしはずっと疑っています。そう思って月を見上げると、雲間にすっと隠れて知らん振り。でも、そんなことじゃあきらめない。いつかきっと尻尾をつかんでやるからね（＾_＾）

[hentekomura]

神秘的な話なのに 現実にありそうな〜toikimiさんのお話は いつも不思議な世界♪

[harienikki]

瑞樹さんも、寸一さんの生きた時代の記憶を取り戻すのかしら❣️(^｡^) 続きが楽しみです。

[KAERUSAN]

(y^ω^)y　よこしまな願望は、かなえると光を失ってしまうものですよね。多くの人は結果ではなくて過程が重要だからだと思います～☆