記者突き飛ばすフジモリ氏 「英雄」の振る舞い【アーカイブ配信】：朝日新聞デジタル

連載「リマ事件の127日 突入編」 第2回 武力突入直後の公邸周辺は、混乱を極めた。記者の声が無線機から響く。「規制線が下げられ、公邸に近づけない」「軍の病院はやはり完全封鎖だ」 そのころ、私はタクシー運転手のシリロさんと、静かな住宅街にある人質の杉丸政則さん宅の前に車を止め、車内の小型テレビで、早口の絶叫が続く、現場中継を見ていた。 一人の兵士が、公邸に掲げられたトゥパク・アマル革命運動（ＭＲＴＡ）の旗をはぎとって捨てた。これが、公邸が制圧された瞬間だった。 人質の大多数が生きている、とテレビが伝えた。シリロさんは「ミラグロ（奇跡）だ、ミラグロだ」と目を丸くして喜んだ。私はシリロさんと、思わず握手していた。テレビは同時に「占拠グループは全員射殺」と伝えていた。 取材本部から「外務省現地対策本部が日本人人質全員の生存を確認」という連絡が入った。私は杉丸さん宅の呼び鈴を急いで鳴らした。「外務

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「大統領は、公邸のそばで、防弾チョッキを身につけて演説を始めた。「ペルーは、テロを絶対に受け入れない」。「英雄」としての振る舞いだった。日本でこれほどの政治家のパフォーマンスを見たことはない」。