気付けば一面ねぎ畑、岡崎を支えた懐かしい甘み 「法性寺ねぎ」のルーツたどる：中日新聞Web

京野菜の葉ネギ「九条ねぎ」に似た見た目から、ルーツは京都だとされるが、その歴史を示す文献は見当たらない。岡崎市南部にある法性寺（ほっしょうじ）の周辺で栽培されてきた伝統野菜「法性寺ねぎ」。地域の農家の話からは、戦中戦後の人々の生活を支えた身近な特産品としての姿が見える。 生産者の一人、近藤幸男さん（87）の実家の食卓には戦中も法性寺ねぎがよく出た。細かく刻んでみそで煮込んだ郷土料理「煮みそ」。当時は麦や大豆を政府に供出するのに必死だったが、ネギも絶やさず、家庭で食べる分を作り続けていたという。終戦から数年後に父が亡くなると、中学生だった近藤さんが代わりに、祖母らが収穫したネギを自転車で市場に...