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カセット効果論(1):無限更新的意味生成の営み
カセット効果は、私たちのことばについての根本的な常識に反するし、また、私たちのこ とばの生活の中で... カセット効果は、私たちのことばについての根本的な常識に反するし、また、私たちのこ とばの生活の中では、全体としてみれば、限られている。実は、(中略)使われる場面が限られているのである。だから、なかなか気づかれないのだが、一人の 人の意識の内部でも、カセット効果は実際に強く働いていても、気づかれない。あたかも、カセット効果じたいが、表の場に出ることを拒むかのように、潜在的 に機能しているようにみえる。 (柳父 1976, pp. 29-30) このような特徴をもつ現象として明治期に次々と造語された「翻訳語」について、まずは記号論から論じてみたい。 翻訳とは何か―記号の営み 一般に「記号」とは、人間が「意味あり」と認めるものすべてのことであり、「記号現象(記号過程)」とは、人間があるものにある意味を付したり、あるも のからある意味を読み取ったりする「意味づけ」行為のことである。そして、人間の意
2021/02/12 リンク