社説：障害者権利条約 重い国連勧告、改善必要｜社会｜社説｜京都新聞

日本が２０１４年に締結した障害者権利条約を巡り、国連が初めて改善勧告を出した。障害児を分離した「特別支援教育」の中止を要請したほか、精神科の「強制入院」を可能にしている法令の廃止を求めている。 勧告に強制力はないものの、日本の障害者の現状を審査した国連の指摘だ。政府は重く受け止め、改善への方策を講じねばならない。 同条約は、障害に基づくあらゆる差別を禁止し、障害者の人権や自由を守るために国がなすべきことを定めている。 障害者らが「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を合言葉に作り上げ、０６年の国連総会で採択された。京都や滋賀など全国で条約批准を求める動きが高まり、日本は１４１番目に締結した。 国連障害者権利委員会による批准国の取り組み審査が先月、スイスで行われ、初となる日本は政府関係者や障害者らが参加した。 勧告は、日本の特別支援教育について通常教育に加われない障害児がおり、分けられた状