失踪（１２月２１日）

火山噴火に警戒が続く。かの国、北欧アイスランドで生まれたミステリーが文庫化された。アーナルデュル・インドリダソンの「印（サイン）」（創元推理文庫）。心に傷を負う刑事が、３０年ほど前に起きた２件の若者失踪を追う▼男子高校生は「本屋に行き、友だちに会う」と言い残したまま行方知れずに。快活で、いなくなる訳は家族には到底、思い浮かばない。父親は死期が迫った今も、行方を気にかけている。同じ頃、女子大生も姿を消した。その部屋は、近所に買い物に出かけているという風情だった。刑事は果たして、真相にたどり着けるのか▼日本国内の行方不明者は年間７、８万人台で推移している。全体の約２割が原因不明という。田村市の少女、南相馬市の当時２１歳の女性、会津若松市の２９歳だった男性蒔絵師［まきえし］…。県警のホームページに載る写真からは、「一刻も早く、自分を捜し出して」との叫びが聞こえてきそうだ▼〈息子の身になにが起きた

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"日本国内の行方不明者は年間７、８万人台で推移している。全体の約２割が原因不明という。田村市の少女、南相馬市の当時２１歳の女性、会津若松市の２９歳だった男性蒔絵師［まきえし］…"。