【あの日 そして５年（１１・完）】１７歳の鈴木美亜さんはこんな思いを句に詠んだ…「青い海 嫌いになんて なれないな」 （1/5ページ）

■祖母を亡くした鈴木美亜さん 待っててね 今届けるよ おばあちゃん 中学１年の春 平成２３年５月 東日本大震災２カ月後につくった初めの一句は祖母への思いに満ちていた。 宮城県女川町の高校２年、鈴木美亜さん（１７）は震災で祖母＝当時（８７）＝を失った。小学校卒業の直前のことだ。 ◇ ■「青い海、嫌いになれない」 ひつぎの中の祖母は無表情だった。ふたが閉まる。火葬場の扉の向こうに消えた。 思い出が頭の中を駆けめぐる。写真を撮られるのが嫌いだったのに、鈴木美亜さんの日本舞踊の発表会の時はファインダーに納まってくれた。「ＣＡ（キャビンアテンダント＝客室乗務員）さんになりたい」と言ったら「きっとなれる」と励ましてくれた。 「おばあちゃん、炊き込みご飯また作ってよ」 涙が出た。震災で泣いたのはこの時だけだった。