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「終戦の日」は反省の日なのか 佐伯啓思
平成29年8月15日、72回目の「終戦の日」を迎えた靖国神社。この日、首相も閣僚も誰一人として参... 平成29年8月15日、72回目の「終戦の日」を迎えた靖国神社。この日、首相も閣僚も誰一人として参拝に訪れなかった=東京都千代田区 (納冨康撮影)8月15日は日本人にとって特別な日である。それは、この日が「終戦の日」であるというだけではなく、ちょうどお盆にあたるからだ。お盆、つまり仏教でいう盂蘭盆会(うらぼんえ)は、祖霊信仰という日本の古い信仰と仏教の融合によるいかにも日本的な習俗である。お盆には死者の霊がそれぞれの家に戻ってくる。生者とのほんのわずかな魂の交流を終えて、8月16日までには死者は「あの世」に戻ってゆく。このわずかな期間、死者は生者とともに過ごし、生者は死者を偲ぶ。 京都大名誉教授の佐伯啓思氏「終戦の日」がお盆と重なることによって、われわれは、あの戦争で命を落とした幾百万にのぼる死者たちを偲び、改めて哀悼の意を表する。そして、死者の無念の魂に仮託して、あの戦争の意味を自らに問い