「あご御殿も夢じゃない」 価格急騰、長崎のトビウオ漁活況

トビウオを原料にした「あごだし」がブームとなり、シーズンを迎えた長崎県のトビウオ漁が活況を呈している。１ケース（１２キロ）の平均取引価格は、２千円程度だった３年前の４倍近い７８００円に急騰。思わぬバブルに、地元漁師の間では「あご御殿も夢じゃない」と景気のいい皮算用が飛び交っている。 玄界灘を望む平戸市の田平港。台風１８号によるしけが終わった６日夕、久々に漁に出た船からトビウオが運び込まれると、市場は活気づいた。 市場を運営する平戸魚市によると、トビウオの取引価格は２０１３年まで１ケース２千円程度で推移し、採算が取れないとの理由で漁を見送ることもあったという。ところが、１４年から価格が上昇。今年は９月上旬から中旬に１万円台が続き、９月１０日には過去最高の１万５千円を記録した。 背景にあるのが、あごだし人気だ。九州を中心に古くから使われていたが、臭みがなく麺類をはじめ和食全般に合うとの評判がこ