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【佐藤優の世界裏舞台】厚労省の怠慢 シベリア抑留者の遺骨収集問題(1/2ページ)
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【佐藤優の世界裏舞台】厚労省の怠慢 シベリア抑留者の遺骨収集問題(1/2ページ)
大東亜戦争は、国際法的に複数の性格を帯びている。英米との関係においては、典型的な帝国主義戦争だ。... 大東亜戦争は、国際法的に複数の性格を帯びている。英米との関係においては、典型的な帝国主義戦争だ。アジア諸国との関係では、日本は侵略国であると非難されても仕方がない面がある。しかし、ソ連との関係においては、日本が侵略された側だ。ソ連は当時有効だった日ソ中立条約を侵犯して、日本に宣戦布告した。さらに、満洲(中国東北部)を中心に日本軍の将兵と民間人をソ連領に抑留し、極寒のシベリアや灼熱(しゃくねつ)の中央アジアで強制労働に就かせた。抑留者は60万人以上で、5万5千人以上が死亡した。 シベリア抑留者の遺骨収集は、あの戦争で筆舌に尽くしがたい苦労をした先人の霊に報いるための重要な事業だ。にもかかわらず、厚生労働省の派遣団が平成26年に持ち帰った16人分の遺骨について、日本人のものでない可能性が高いことが明らかになった。厚労省はこの事実を去年把握したにもかかわらず、公表していなかったことが7月29日に