西ドイツ元首相、シュミット氏が死去 96歳 東西冷戦下、テロにも毅然とした態度で対応

【ベルリン＝宮下日出男】旧西ドイツの元首相で高松宮殿下記念世界文化賞の名誉顧問であるヘルムート・シュミット氏が１０日、死去した。９６歳だった。独メディアが伝えた。東西冷戦などで世界が揺れた時代にテロにも厳然とした対応を示すなど、首相として強い指導力を発揮した。 １９１８年、北部ハンブルク市生まれ。第二次世界大戦後の４６年に中道左派の社会民主党に入党し、６９～７４年の社民党主導のブラント政権で国防相や財務相などを歴任。ブラント首相の辞任に伴い、首相に就任し、８２年まで務めた。 「ドイツの秋」と称される７７年後半のドイツ赤軍による一連のテロ事件では、ハイジャックされたルフトハンザ機に特殊部隊を強行突入させて人質の救出に成功するなど、テロに屈しない姿勢を一貫した。 東西冷戦の緊張緩和の動きの中では、米国と軍縮交渉などを進めるソ連が米欧の分断を図っていると西欧の指導者でいち早く警告。当時のジスカー

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