ゴーン被告、本格捜査へ 仏当局

【パリ＝三井美奈】フランス検察は１９日、仏自動車大手ルノー前会長のカルロス・ゴーン被告について、経営トップを務めた自動車大手ルノーの資金を流用した疑いで予審手続きを開始したと発表した。予審判事に捜査を求めたもので、ゴーン容疑者は本格捜査の対象になった。 予審判事は検察の請求に基づき、本格捜査を指揮する権限を持つ。関係国に証拠収集や尋問の協力を求めることも可能。捜査の後、容疑者を裁判にかけるかどうかを決める。 検察の発表によると、捜査は２００９年以降に行われたとみられる背任や資金洗浄などの疑惑が対象。ルノーと中東オマーンの販売代理店「ＳＢＡ」との間の不審な資金の流れや、オランダに拠点を置くルノー、日産自動車の統括会社を通じた個人旅費の支払いについて言及した。旅費については数百万ユーロの支出の疑いがあるとしている。 検察は昨年、ルノーの告発を受けて初期段階の捜査に着手した。ルノーはゴーン容疑者