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<書評>『雑草ラジオ』瀬戸義章 著:東京新聞 TOKYO Web
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<書評>『雑草ラジオ』瀬戸義章 著:東京新聞 TOKYO Web
一九二五年三月二十二日、日本でラジオ放送が始まって、まもなく百年。同じ一九二五年にラジオ放送が始... 一九二五年三月二十二日、日本でラジオ放送が始まって、まもなく百年。同じ一九二五年にラジオ放送が始まったのが、当時オランダの植民地だったインドネシア。ともに島国で、地震や津波、火山噴火など自然災害の多い国だ。 太平洋上に浮かぶ二つの国をつないで活躍しているのが、かばんやスーツケースに入る「バックパックラジオ」だ。簡単にいえば「持ち運べる災害ラジオ局」。スマホアプリと小型FM送信機、アンテナを組み合わせた、簡便で安価な物。本書は著者らのアイデアによって生まれ、インドネシアの火山地帯に配備されるまでになった「バックパックラジオ」誕生の記録だ。 話はインドネシアの火山から始まる。度重なる火山の噴火とともに暮らす現地の人々に、いちはやく噴火の危険を知らせる道具として、二〇〇二年に小さな村にラジオ局が生まれた。やがてラジオは災害情報や音楽だけでなく、住民同士の対話の場となり、自治の手段に成長していった