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1970~80年初頭の女性解放運動や理論における対立・批判から、それが抱えた数々の困難を示した論考集、... 1970~80年初頭の女性解放運動や理論における対立・批判から、それが抱えた数々の困難を示した論考集、江原由美子著『増補 女性解放という思想』。社会運動について考えるうえで本書がどのような意義を持つか、富永京子さんが評してくださいました。(PR誌『ちくま』6月号掲載原稿より。Web掲載に際して一部追記。) 数年前、調査会社の営業の方にこんなことを言われた経験が今でも心に残っている。「富永先生の場合、例えばフェミニズムとかジェンダー関連の調査とか……」。私は社会運動の研究者で、フェミニズムやジェンダー論は全く専門ではない。調査会社の方も深い意図はまったくなかったのだろうが、女の社会学者だから女性問題や女性運動に関心があるのだろうという想定に、自分が想像したよりも遥かに苛立った。 本書は、一九八〇年代当時のエコロジカル・フェミニズムやイリイチのヴァナキュラー・ジェンダー論、「性差」論の批判的検
2021/07/14 リンク