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米国発の金融危機とオバマ政権 神戸大学大学院経済学研究科教授 地 主 敏 樹 はじめに 今回の米国発... 米国発の金融危機とオバマ政権 神戸大学大学院経済学研究科教授 地 主 敏 樹 はじめに 今回の米国発の金融危機を日本のバブル崩壊後の危機と比べると、いくつかの共通点が浮かび上がる。信用の膨張を伴った地価バブルが崩壊したという根元部分は共通している。ともに物価安定下でのバブル崩壊なので、デフレーションが懸念されることとなったし、短期金利はゼロ水準にまで低下してしまった。どちらも、主要な金融機関が大きく傷んでしまって、強い信用収縮が進むこととなった。信用収縮が実体経済の活動水準を低下させるので、「量的緩和」も採用されることとなった。 しかし、相違点が多いことの方が印象的である。まず、今回の危機は展開がはるかに速い。日本では株価ピークから金融危機に至るまで7年間ほどの合間があったが、アメリカでは地価ピークからリーマン破綻に至るまで2年弱の間隔しかない。リーマン破綻後の全面的金融危機の進行には、当