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第26回 先駆者の訪問|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン
前夜遅くまで続いた高熱のせいで、私の意識は朦朧としていた。 早朝、マスクを二重にして現場に向かう。... 前夜遅くまで続いた高熱のせいで、私の意識は朦朧としていた。 早朝、マスクを二重にして現場に向かう。無事に明治記念館まで辿り着いたが、頭はボーッとしたままだ。足元はふらついている。そんな状態だったから、羽生善治の姿が視界に入ったときは冗談抜きで幻覚ではなかろうかと思った。 いるはずのない人が目の前にいる不思議、そして緊張が私の感覚を少しずつ現実の世界へと呼び戻していった。 3月24日、第40期女流名人位戦の就位式が行われた。報知新聞主催の女流タイトル戦で5連覇を飾った里見香奈女流名人の戴冠を祝うパーティーである。主催社の担当記者としては、さすがに病欠というわけにはいかない一大行事だ。 棋戦ごとに開催される就位式は、将棋界で最も幸福なイベントと言っていい。棋士、女流棋士、関係者、報道陣らが集い、壇上のタイトル獲得者を祝福する。乾杯の声、女流棋士の華やかな和服姿、久しぶりの再会と談笑・・・
2014/05/24 リンク