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タイム誌「今年の人」に選ばれたメルケル独首相の挑戦 | 木村正人 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
米誌タイムと英紙フィナンシャル・タイムズが年末恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に... 米誌タイムと英紙フィナンシャル・タイムズが年末恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に相次いでドイツの首相アンゲラ・メルケルを選んだ。欧州債務危機と難民危機という未曾有の2大危機に対する取り組みと志が評価された。 「欧州の女帝」と評されるメルケルだが、日本流に「メルケル」といえば、これまで「何もしない。意見も言わない」という皮肉だった。それがシリアやアフガニスタンから大量の難民が欧州に押し寄せた危機で「ドイツは難民を歓迎する」と大見得を切り、一気に株を上げた。 旧東ドイツで育ったメルケルの最大の特徴は、その慎重さにある。ベルリンの壁建設とプラハの春を目の当たりにした彼女は理想を胸の奥底にしまうことを覚えた。共産主義体制下で「自由」という理想を語ることは破滅を意味する。ベルリンの壁が崩壊した際も、メルケルはいつも通りサウナに行き、そのあと群衆に交じって西ベルリンを訪れた。 理想はそ
2015/12/18 リンク