（２）「２３区最下位」の衝撃 : 検証 教育改革 : 特集 : 教育 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

２００５年１月、東京都の学力テストを受ける足立区の小学生。この時の試験問題などは１か月前に区教委から校長側に渡っていた ２００４年６月１０日は、足立区の教育関係者にとって忘れがたい日となった。この年、都が初めて実施した学力テストの結果が通知された日。「まさか２３区で最下位とは」。報告を受けた当時の教育長、内藤博道（５７）は絶句したという。 その日のうちに、臨時の中学校長会が招集された。全３８校の校長を前に、内藤はこう宣言した。「学校別の成績をホームページ（ＨＰ）で公表することにしました」。都は自治体別の正答率を公表しているが、学校別データの扱いはそれぞれの自治体に任せている。当時、公表に踏み切ったのは足立区だけだった。 「やりすぎだ」。その場にいた校長の一人は区教委の姿勢に危うさを感じた。学校間の成績差は最大で３０ポイント以上。「生徒が『バカ校』『エリート校』などとレッテルを張るようになっ