借りて来たハードカバー、ダウンロードしたPDFのプリントアウト、入手しづらい博論のコピー、持って歩きたくない重さの画集や写真集、先生から渡される手書きメモ入り講義資料、ゼミで配られる先輩同輩後輩のレジュメの束エトセトラエトセトラエトセトラ……。 現代の私たちは、さまざまなフォーマットのアーカイブの海を航海する旅人のようだ。インターネットを通して得られる情報だけでも、そのフォーマットはことなり、私たちはそれぞれに対応したソフトを利用することになる。しかしこれだけパソコンとインターネットが発達したいまでも、私たちはまだまだ「紙」というデバイスに引きずり回されていることに気付くだろう。 私たちは、まだまだ「紙」を読んでいる 大学院に限らず大学のゼミと呼ばれるものに出れば、資料や史料、レジュメ、報告書類など、大量の紙資料が配付される。これらの資料はおおむねA3横を1面として印刷されている場合が多く
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