山口浩さんが山田昌弘さんについて書いてらっしゃるのに刺激を受けて、積読してあった本書を広げて読んでみた。 一読して、山田昌弘さんの問題意識とロバート・B・ライシュのそれとは、相当に重なるように思った。労働の形態が変化し、分化していくというライシュの主張が現代日本において現実化しつつあるという認識が核であるように感じた。山田さんの場合は、労働の分化という問題ににリスク社会の到来という横糸がからんでくる。 リスク社会だなんて、いつの時代だってあたりまえのことだ。どんなに安定しているように想える企業体だって、どんな資産家であっても存続していくことは、ほんとうに難しい。現代の日本でリスクが増大しているのか、それはなぜなのか、ということについては後に触れる。 ■労働形態の分化 まずは、ライシュの主張、いや予言からまとめておこう。(残念ながら、私はまだ「勝者の代償」を読んでいない。) ・ザ・ワーク・オ