ウクライナでの砲兵戦が変化している可能性がある。ウクライナ軍によるロシア軍の大砲の撃破数が大幅に増えている兆候がいくつかある。もしそのとおりであれば、戦争の転換点になるかもしれない。また、伝統的な兵器である大砲が、この戦争で新たに台頭した兵器に対して弱いということの証拠にもなるだろう。 砲兵はロシア軍の中核 砲、あるいは砲兵はロシアによる戦争のやり方で中核を担う存在である。ロシア陸軍は主として砲兵軍であって、戦車はたまたま多数保有しているにすぎない、と評する人もいるくらいだ。 「端的に言えば、ロシアは砲を縦深戦闘でも近接戦闘でも主要な殺傷手段として用いる」。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)は昨年、ロシア軍の砲兵戦力に関する報告書のなかでそう説明している。 戦車部隊や歩兵部隊の装備や人員の質が不十分であっても、砲兵火力が十分にあれば補える。町を通りごとに占領していくには、高度に訓練され規