2013年11月23日、中国政府は突如、東シナ海上空における防空識別圏の設定を発表し、同日午前10時(日本時間同11時)から施行されることとなった。 防空識別圏というのはその名称通り、防空上の必要から自国の領空に接近してくる他国機を「識別」して、それに対する緊急発進などの措置をとるかどうかを判断するために設定する空域のことである。普通は自国の領空よりもさらに広範囲の空域を設定して、他国の飛行体がこの空域に入ってきた場合、直ちにその機種などを識別、自国の領空を侵犯する可能性があるかどうか、自国の防衛上の脅威となる飛行体であるかどうかを判断して相応の措置をとる。それがすなわち「防空識別圏設定」の意味である。 重要なポイントの1つは「識別」という2文字にある。つまり識別圏というのはあくまでも、他国機に対する「識別」のために設定したものであって、他国機の航空の自由を制限するものではない。防空識別圏