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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (342)

  • 第44回 利殖の手段と化すふるさと納税(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    先日、仕事場に送られてきた投資雑誌をめくっていたら「株主優待VSふるさと納税」という特集が目に入ってびっくりした。株式投資と納税がなぜ比べられるのだろう? ふるさと納税は2008年に始まった地方自治体への寄附金制度で、所得税・個人住民税の控除が受けられる。小泉政権下の三位一体改革で地方交付税の削減や税源移譲が進み、都市と地方の税収格差が問題になった。そこで当時の自民党政権が、日に寄付文化を根づかせる効果も期待して創設したのだという。 こうして、生まれ故郷を離れ都会で暮らしているひともふるさとに貢献できるようになった――これだけなら素晴らしい話だが、だったらなぜマネー雑誌が利殖の手段として取り上げるのだろうか。それは、制度設計に理由がある。 ふるさと納税では出身地に限らずどの自治体に寄附してもいいが、全額控除には上限が設けられていて、総務省の試算では、年収600万円(専業主婦と子ども2人)

    第44回 利殖の手段と化すふるさと納税(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/09/15
    だったら正攻法は、多くのひとが住みたい(企業が進出したい)と思う街づくりをすることだろう。だがバブル崩壊以降の20年で、地方はその努力をあきらめてしまったようだ。
  • 国内の歴史論争で勝って、海外の人権で完敗した慰安婦問題 週刊プレイボーイ連載(160) – 橘玲 公式BLOG

    朝日新聞は従軍慰安婦問題において、従来の主張を大幅に変更し、一部の記事を虚偽として取り消しました(8月5日朝刊)。この問題についてはすでに多くの(というか多すぎる)主張がありますが、これを機に争点を整理してみることは無駄ではないでしょう。 慰安婦問題の議論は大きく4つに分けられます。 軍による強制連行があったかどうかの事実問題 自らの意思に反して売春を強要された女性の人権問題 日戦争責任 韓国のナショナリズム 朝日新聞をはじめとする「リベラル」は、日戦争責任を追及する立場から「強制連行」を歴史的事実と見なしてきました。これに対して保守派は、慰安婦問題は韓国の歪んだナショナリズムが生み出した虚構で、軍による一般女性の連行などなかったと批判しました。 このように日国内では、リベラル派と保守派はずっと事実問題で争ってきました。そして今回の朝日新聞の“転向”が象徴するように、リベラル派は

    国内の歴史論争で勝って、海外の人権で完敗した慰安婦問題 週刊プレイボーイ連載(160) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/09/01
    その意味でも、出発点となる事実問題において20年以上も議論を混乱させた朝日新聞の責任は重いといわざるを得ません。
  • 危険ドラッグ問題を解決するもうひとつの方法 週刊プレイボーイ連載(159) – 橘玲 公式BLOG

    脱法ハーブによる暴走運転が社会問題になったことで、「危険ドラッグ」に名前が変わりました。厚生労働省は、アンケート調査などをもとに、危険ドラッグの使用者を40万人と推定しています。 危険ドラッグはなぜこれほど蔓延するのでしょうか。 私的行為に刑罰を課すのは国家による暴力の行使なので、法治国家ではその要件が法によって厳しく定められています(罪刑法定主義)。ところが技術の進歩によって、化学構造の一部を変えることで、麻薬と同様の効果を持ちながら法では規制されないドラッグをつくることが可能になりました。 危険ドラッグで逮捕された業者は、住宅街にプレハブ小屋を借り、主婦などを雇って、中国から輸入した原料に植物片を混ぜて「ハーブ」として販売していました。原料の入手元さえ確保できればかんたんに製造でき、「飛ぶように売れて金銭感覚がおかしくなる」ほど儲かったそうです。 ドラッグが裏社会の大きなビジネスになる

    危険ドラッグ問題を解決するもうひとつの方法 週刊プレイボーイ連載(159) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/08/25
    日本では、なにか問題が起こると、すぐに国家による規制を強化しようとします。ときには別の発想をしてみてはどうでしょうか。
  • ウクライナ危機「親ロシア派」とは何者なのか? 週刊プレイボーイ連載(158) – 橘玲 公式BLOG

    ウクライナ上空で乗員乗客298人が乗ったマレーシア航空の旅客機が撃墜された事件は全世界に衝撃を与えました。現在も真相究明が進んでいますが、親ロシア派の武装勢力がロシア軍から供与された地対空ミサイルを誤射したとみて間違いないでしょう。 ところで、「親ロシア派」とはいったい何者なのでしょうか。 ウクライナ危機は、民族紛争というより地域対立です。ポーランドなどEUに加盟した旧共産諸国と接する西部地区と、ロシアの強い影響下に置かれた東部地区では、経済政策の利害が真っ向から対立してしまうのです。 そんななか、ソチ五輪を利用して親EU派がクーデターを敢行し政権を奪取します。それに対抗してロシアは、軍事戦略上の拠点であるクリミアを併合しますが、その後、東部地区に親ロシア派の武装勢力が台頭してきたのです。 ところで、報道によるとこうした武装勢力は大半がロシアからやってきた義勇兵です。ウクライナの首都キエフ

    ウクライナ危機「親ロシア派」とは何者なのか? 週刊プレイボーイ連載(158) – 橘玲 公式BLOG
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    fragilee 2014/08/13
  • ブラック企業問題は市場原理が解決する 週刊プレイボーイ連載(157) – 橘玲 公式BLOG

    知り合いの大学教授から、「居酒屋でアルバイトをする学生の退学が増えて困っている」という話を聞きました。原因は、日経済の大きな問題になってきた人手不足です。 居酒屋や牛丼の大手チェーンが次々と店舗の閉鎖に追い込まれているように、サービス業ではアルバイトの確保に四苦八苦しています。学生はイメージのいいカフェなどで働きたがり、“ブラック企業”のレッテルを張られるようなところには来てくれないのです。 これは、居酒屋の運営に責任を持つ店長にとってはきわめて深刻な事態です。そんなとき、優秀な学生がたまたまバイトに応募してきたらどうなるでしょう。 店長はこの千載一遇の機会を逃さないよう、あらゆる手段で学生を引き留めようとするにちがいありません。店を仕切れるスタッフがいなくなれば店舗は閉鎖され、店長の仕事もなくなって家族ともども路頭に迷ってしまうのです。 学生のなかには、いい年をした大人の必死の説得を断

    ブラック企業問題は市場原理が解決する 週刊プレイボーイ連載(157) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/08/05
    皮肉なことに、道徳的な批判や政府の規制ではなく、市場原理によってブラック企業問題は解決されるのです。
  • 第43回 北欧は福祉だけではない(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    「君はスウェーデンははじめてかい。だったら最初に説明しておかなきゃならないことがあるんだ。この国では、タクシー料金は自由化されているんだよ」 フライトが遅れ、空港から高速バスでストックホルム中央駅に着いたのは午後8時前だった。ホテルに寄っていてはレストランの予約に間に合わなくなるので、スーツケースを引きずったまま駅を出ると、ちょうどタクシーが1台停まっていた。若い運転手がボンネットにもたれてスマートフォンをいじっている。 声をかけると、運転手は驚いた顔をして、いきなりスウェーデンのタクシー事情を講釈しはじめた。 「近距離はどれもメーター制だから、とくに気にする必要はない。でも長距離には固定料金とメーターの2種類があるんだ」 そういって後部座席の窓に張られた料金表を指さす。 「固定制のタクシーはゾーンによって運賃が決まっていて、それを顧客に提示しなきゃいけない。なんの表示もないのがメータータ

    fragilee
    fragilee 2014/07/24
    思わず「へぇ〜」な話。>>
  • 集団的自衛権の行使に反対するひとたちはなぜ空洞化するのか 週刊プレイボーイ連載(155) – 橘玲 公式BLOG

    集団的自衛権の行使が閣議決定で容認され、リベラルなメディアは「立憲主義を破壊する暴挙」と大々的に報じていますが、国民の大半は無関心で、首相官邸を取り囲むデモの熱気も福島第一原発事故を受けた反原発運動のピーク時とは比べ物になりません。 盛り上がりに欠ける理由のひとつは、反対派の理屈がわかりにくいからでしょう。 安倍政権を批判するひとたちの主張は、大きくふたつに分けられます。 (1)集団的自衛権の行使にも、解釈改憲にも反対する (2)集団的自衛権の行使は容認するが、解釈改憲には反対する (1)は典型的な平和主義ですが、(2)は「憲法を改正して軍の存在と国家の自衛権を明記すべし」という立場ですから、“戦後民主主義”的な護憲リベラルとは真っ向から対立します。しかしそうなると反対派が分裂してしまうので、憲法改正の是非をあいまいにしたまま解釈改憲を批判するという戦術をとらざるをえません。しかしこれでは

    fragilee
    fragilee 2014/07/22
  • ソロスから学んだこと(『月刊文藝春秋』6月号「自著を語る」) – 橘玲 公式BLOG

    『月刊文藝春秋』6月号「自著を語る」で『臆病者のための億万長者入門』について書きました。編集部の許可を得て、「ソロスから学んだこと」を転載します。 *********************************************************************** 「ヘッジファンドの帝王」ジョージ・ソロスは1930年にブダペストのユダヤ人家庭に生まれた。 第一次世界大戦で敗戦国となり領土の大半を失ったハンガリーでは民族主義が高揚し、ナチス・ドイツに与して領土回復を目指していた。第二次世界大戦が勃発したのはソロスが9歳の時で、ブダペストのユダヤ人も次々と収容所に送られていった。 そんな彼らを救うために尽力したのがソロスの父親だった。第一次世界大戦後、シベリアの収容所から脱走し、ロシア革命のなか8000キロを逃げ延びて帰還した父親は幼いソロスのヒーローだった。弁護士と

    fragilee
    fragilee 2014/07/18
    ある晩餐会の席で、隣に座った婦人から、「お金儲けが好きだと気づいたのはいつか」と訊ねられ、「金儲けは好きではありません」とソロスは答えた。「ただ、うまいだけです」
  • 「残業代ゼロ法案」に反対するほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(152) – 橘玲 公式BLOG

    政府の産業競争力会議が提言する労働時間規制の緩和をリベラルなメディアは「残業代ゼロ法案」と呼んで批判しています。労働規制緩和の「残業代を支払わない契約を認める」という面だけを強調しているのですが、はたしてこれは公正な報道でしょうか。 日的な雇用慣行は製造業をベースにつくられたものです。工場では労働者が働いた時間だけ製品がつくられますから、残業代が払われないのは無料奉仕、すなわち奴隷労働になってしまいます。 ところが産業が高度化してサービス業や知識産業が主流になると、工場と同じような労働管理ではうまくいかなくなります。 知識社会においては、働き方は大きく3つに分かれます。(1)クリエイティブクラス、(2)スペシャリスト(専門家)、(3)バックオフィスです。 バックオフィスというのは縁の下のちからもちで、いわゆる事務仕事です。こうした仕事は時給計算が可能で、残業すれば収入が増え、欠勤すれば給

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    fragilee 2014/07/04
    身も蓋もないんだけど(^^;...w そういうことだわな…(-_-;)...>>
  • テレビはバカに娯楽を提供するメディア – 橘玲 公式BLOG

    最新刊、『バカが多いのには理由がある』から「はじめに」を掲載します。 *********************************************************************** ずいぶん昔の話ですが、仕事の企画で民放テレビのディレクターに会いにいったことがあります。彼は30代後半で、視聴率の高いワイドショーを担当し、業界ではやり手として知られていました。 「僕の話なんか聞いたって仕方ないですよ」 開口一番、彼はそういいました。 「昼間っからテレビを見ている視聴者って、どういうひとかわかりますか? まともな人間は仕事をしているからテレビの前になんかいません。暇な主婦とか、やることのない老人とか、失業者とか、要するに真っ当じゃないひとたちが僕らのお客さんなんです。彼らをひとことでいうと、バカです。僕らはバカを喜ばせるためにくだらない番組を毎日つくっているんで

    fragilee
    fragilee 2014/06/26
    その通り杉で、異論が一寸たりともない(-_-;)...。>>
  • 「新しい統治」ではなく「正しい統治」があるだけ 週刊プレイボーイ連載(151) – 橘玲 公式BLOG

    維新の会が国政選挙に乗り出した2012年10月、「地方の支店長が社長に命令する組織」というコラムを書きました。維新の会は「日の統治を立て直す」と主張しますが、党首である橋下徹氏が首相を目指さないのでは国政政党として体をなさないのでは、と疑問に思ったのです。 当時、橋下大阪市長はまだTwitterをやっていて、「自分の政党の統治すらできない人物に国家の統治などできるはずはない」という拙文に対し、「(これからやろうとしている)新しい統治がわかっていない」というツイートをもらいました。それからどんな改革があるのかずっと楽しみにしていたのですが、1年半の迷走の末に共同代表だった石原慎太郎氏と袂を分かち、維新の会は元の姿に戻ってしまいました。今後は結いの党と合流するのでしょうが、このままでは誰が代表になるのかという問題がまた出てきそうです。 橋下市長のいちばんの魅力は、ネオリベを前面に押し立て

    fragilee
    fragilee 2014/06/24
    「新しい統治」などどこにもなく、「正しい統治」があるだけなのです。
  • 集団的自衛権を議論する前にやるべきことがある  週刊プレイボーイ連載(150) – 橘玲 公式BLOG

    集団自衛権についての議論が徒労感しか残らないのは、そもそもの前提を共有せず、わけのわからないことをいうひとがいるからです。それも、ものすごくたくさん。 地球の裏側の国がいきなり攻めてくることがない以上、安全保障というのは国境を接する隣国とどのようにつき合えばいいのか、という話です。 いつ裏切られるかわからない相手とのつき合い方は、ゲーム理論でもっとも研究されてきたテーマです。 社会心理学者のロバート・アクセルロッドは、「囚人のジレンマ」と呼ばれる協力と裏切りゲームを繰り返した場合、どの戦略がもっとも効果的かを調べるため、心理学、経済学政治学、数学、社会学の5つの分野の専門家を世界じゅうから集め、コンピュータ選手権を開催しました。 選手権に挑戦した天才たちは、さまざまな戦略を持ち寄りました。相手に裏切られても協力するお人好し戦略、逆に、相手が協力しても裏切る悪の戦略、裏切った相手には徹底し

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    fragilee 2014/06/16
  • 「表現の自由」でエイズの似非科学を擁護した代償 週刊プレイボーイ連載(149) – 橘玲 公式BLOG

    「自分に甘く他人に厳しい」というのは人間の性でしょうが、それが目に余るのは似非科学を振りかざすひとたちです。 彼らはまず、相手に対して厳密な証明を求め、すこしのミスも許しません。そして、自分の主張が非科学的だと批判されると「表現の自由」だと言い張ります。 似非科学が流布する背景には、それを支持する知識人(と呼ばれるひとたち)がいます。彼らは、あらゆる意見には発言の場が与えられるべきであり、国家権力がそれを制限するのは不当だといいます。 これは一見、正論のようですが、だとしたら「朝鮮人を殺せ」と叫ぶ集団の表現の自由も命がけで守らなければなりません。しかし彼らは、そんなことをする気はまったくないでしょう。「表現の自由」は、自分の気に入った意見にだけ適用されるのです。 マンガ『美味しんぼ』では、福島第一原発を取材した主人公の鼻血と放射能の関係が問題になりました。マンガを掲載した編集部は「ご批判

    fragilee
    fragilee 2014/06/09
  • 反原発派こそが似非科学を批判すべきだ 週刊プレイボーイ連載(148) – 橘玲 公式BLOG

    人気マンガ「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎は、福島第一原発を訪れた後に鼻血を流します。実名で登場する被災地の前町長は、「私が思うに、福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」と断言します。これでは個人的な感想をもとに「福島にはもう住めない」といっているようなものですから、風評被害との抗議が殺到するのは当たり前です。 この騒動については、「表現の自由」として擁護する声もあります。これをどう考えればいいのでしょうか。 前提として、私たちの社会ではあらゆる主張に科学的データが求められるわけではありません。 「ふくらはぎをもめば長生きできる」というが売れていますが、こうした健康の多くはその効果が医学的に証明されているわけではありません。それでも社会問題にならないのは、みんなが1日5分ふくらはぎをもむようになってもさしたる悪影響がないからでしょう。 厚生労働

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    fragilee
    fragilee 2014/06/06
  • 「夢の海外移住」で失敗しないために(「臆病者のための資産運用入門」特別編) – 橘玲 公式BLOG

    『臆病者のための億万長者入門』の発売に合わせて『週刊文春』(5月22日発売号)に掲載された「「夢の海外移住」で失敗しないために」を、編集部の許可を得て転載します。 *********************************************************************** 「日の若者は外国に行かなくなった」といわれるが、その代わりリタイア後に海外生活をするひとが増えている。 80年代バブルの頃は通産省(現・経産省)がスペインに「日人村」をつくるシルバーコロンビア計画を提唱したが、ヨーロッパは遠すぎて頓挫した。90年代にはカナダが注目されたが、北米との往復は時差がつらい。ハワイはあいかわらず人気だが、9.11後のアメリカは居住ビザの取得が難しい。 そんなこんなで、リタイア層の注目は東南アジアに集まるようになった。ロングステイ財団の調査でも、ここ数年は「住

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    fragilee 2014/05/29
  • 貧乏くじを引くのはいつもまっとうに生きている多数派  週刊プレイボーイ連載(147) – 橘玲 公式BLOG

    オバマ大統領との首脳会談を受け、安倍総理はTPP(環太平洋経済連携協定)の早期妥結を指示しましたが日米協議は合意に至りませんでした。貿易自由化で既得権を奪われるひとたちが自民党の支持基盤になっているためでしょう。 その一方で、日とオーストラリアのEPA(経済連携協定)では牛肉の関税を38.5%から23.5%に引き下げることが決まりました。これによってオーストラリア産牛肉も安くなるでしょうから、消費者にとっては朗報です。 ところが不思議なことに、「得する」ネタが大好きなはずの新聞やテレビは、「関税引き下げで家計が楽になる」とか、「TPPで米国産牛肉も安くしよう」などとはいっさいいわず、「畜産農家の経営への影響」を懸念しています。TPP問題では、多数派(消費者)のメリットはできるだけ小さく報じ、少数派(農家)の被害を強調するのが“正しい報道”とされているようです。 もっともこれは特別なことで

    貧乏くじを引くのはいつもまっとうに生きている多数派  週刊プレイボーイ連載(147) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/05/27
    こうして日本では、まっとうに生きている多数派がいつも貧乏くじを引くことになるのです。
  • 埼玉スタジアムではなぜ人種差別の権利がないのか?週刊プレイボーイ連載(146) – 橘玲 公式BLOG

    サッカーJ1の人気クラブ浦和レッズは、一部のサポーターが「ジャパニーズ・オンリー」という横断幕をスタジアム内に掲げたことでJリーグから無観客試合の制裁を受け、クラブ側は当該サポーターを無期限入場禁止にすると同時に、ホーム、アウエーを問わず、すべての横断幕やゲートフラッグの掲出を禁止しました。 サッカー場であるヨーロッパではアフリカ出身の選手に対する人種差別的行為があとを絶たず、FIFA(国際サッカー連盟)は傘下のクラブに人種差別撲滅のための断固たる行動を求めています。今回の処分はクラブにとってきわめて厳しいものですが、浦和レッズのサポーターグループ11団体が「当事者としての責任を認識」して自主的に解散するなど、批判や反発の声はほとんど聞こえてきません。Jリーグには家族連れの観客も多く、子どもに不快な横断幕を見せたいひとはいないでしょうから、これはファンやサポーターの良識でしょう。 その

    埼玉スタジアムではなぜ人種差別の権利がないのか?週刊プレイボーイ連載(146) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/05/22
    たったこれだけで、憲法を遵守しつつ不愉快なヘイトスピーチをなくすことができます――残念なことに実現可能性はないでしょうが。
  • すべてのメディアは”捏造装置” 週刊プレイボーイ連載(145) – 橘玲 公式BLOG

    STAP細胞はどんな組織にも変化できる機能を持った多能性細胞の一種で、iPS細胞などと比べてつくり方が圧倒的に簡単で、再生医療を劇的に発展させると期待されていました。この“ノーベル賞級の発見”を割烹着姿の31歳の小保方晴子さんが主導したことでマスコミの大騒ぎが始まりましたが、その後、論文自体の信憑性を疑わせるさまざまな疑惑が噴出して事態は混迷していきます。 この問題の質が、「そもそもSTAP細胞は存在するのか?」なのは誰でもわかります。 小保方さんは200回以上STAP細胞を作成したと述べていますが、それには「言葉では伝えにくいコツ」があり、来、つくりやすいはずなのに他の研究者は誰ひとり追試に成功していません。しかしだからといって論文自体を捏造と決めつけることはできず、写真の転用についてもそれがたんなるミスなのか、意図的なのかを素人が判断するのは不可能です。 “日のベートーヴェン”は

    すべてのメディアは”捏造装置” 週刊プレイボーイ連載(145) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/05/09
    結局、あらゆる問題の根本・源泉掛け流しはアフォな大衆ってことでファイナルアンサーですぬ♡ よかった >>
  • 第41回 租税回避 国家の逆襲(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    世界金融危機以降、タックスヘイヴンが大きく揺れている。 金融業界に衝撃を与えたのはプライベートバンク最大手UBSのスキャンダルで、2008年11月、米司法当局はプライベートバンク部門を統括していた最高幹部を脱税の共謀犯として起訴し、UBSは総額7億8000万ドル(約780億円)の罰金と、約4500件の口座情報の提供を余儀なくされた。 この事件はまだ尾を引いており、2013年10月には米連邦大陪審に起訴されていたUBS幹部がイタリアで突然逮捕された。この幹部はインターポール(国際刑事警察機構)の指名手配リストに載せられていたのだ。 オバマ政権に代わってからアメリカはタックスヘイヴンに対する締め付けを強めており、FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)によって米国人が海外に保有する口座情報の提供を世界のすべての金融機関に義務づけた。このようなことが可能になるのは米国の税制が属人主義で、米国

    第41回 租税回避 国家の逆襲(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/04/30
  • 「ゴーストライターのことはみんな知ってる」って本当? 週刊プレイボーイ連載(144) – 橘玲 公式BLOG

    “日のベートーベン”の曲を別人が作曲していた問題で、ゴーストライターの存在が議論を呼びました。出版界では代作者を使ってを出すことが慣行になっていますが、「作曲家のゴーストライターがあれだけ批判されるのなら、出版物も同じではないのか」というのです。 もちろん、芥川賞や直木賞の受賞作を他人が書いていたら社会的な事件です。ゴーストライターを使うのは芸能人やスポーツ選手のような文筆を生業にしているわけではないひとや、多忙な企業経営者など執筆時間のないひとですから、今回の事件と同列に語ることはできません。その意味でゴーストライターが社会的に容認されてきたのは確かでしょうが、「そんなこと(芸能人やスポーツ選手がゴーストライターを使っていること)は誰でも知っている」という擁護論には違和感があります。 こうした主張は、「プロレスが真剣勝負でないことは誰でも知っている」というのに似ています。力道山の時代

    「ゴーストライターのことはみんな知ってる」って本当? 週刊プレイボーイ連載(144) – 橘玲 公式BLOG
    fragilee
    fragilee 2014/04/30