先日、仕事場に送られてきた投資雑誌をめくっていたら「株主優待VSふるさと納税」という特集が目に入ってびっくりした。株式投資と納税がなぜ比べられるのだろう? ふるさと納税は2008年に始まった地方自治体への寄附金制度で、所得税・個人住民税の控除が受けられる。小泉政権下の三位一体改革で地方交付税の削減や税源移譲が進み、都市と地方の税収格差が問題になった。そこで当時の自民党政権が、日本に寄付文化を根づかせる効果も期待して創設したのだという。 こうして、生まれ故郷を離れ都会で暮らしているひともふるさとに貢献できるようになった――これだけなら素晴らしい話だが、だったらなぜマネー雑誌が利殖の手段として取り上げるのだろうか。それは、制度設計に理由がある。 ふるさと納税では出身地に限らずどの自治体に寄附してもいいが、全額控除には上限が設けられていて、総務省の試算では、年収600万円(専業主婦と子ども2人)