≪アメとムチの併用にご用心≫ ロシアのプーチン大統領は8月に2つの対日シグナルを送った。ロシアへの農産物の輸出禁止に関して日本を対象外にすることと、ロシア軍をして北方領土で軍事演習を実施させることだ。ロシア得意の「アメ」と「ムチ」の併用作戦といえよう。これらの背後で、大統領は一体どのような対日政策を狙っているのか? 安倍晋三政権が採るべき対抗策は? ロシアは北方領土の国後、択捉両島や千島列島で大規模な軍事演習を行った。もとより、これは以前から準備され、しかも、力を誇示しようとした主な相手は中国だったのかもしれない。だが、その場合でも、プーチン氏(露軍最高司令官を兼務)は、日本に対し気を使うことができたはずだった。演習場所を変えたり、規模を縮小したり、実施自体を延期したりするなどの配慮である。 ロシア側には、そのような気配りをしておかしくない十分な理由があった。クリミア併合以来、米欧諸国から