世界中で大きな波紋を呼んだ上海福喜食品の「期限切れ肉問題」が暴露されたのは7月20日、上海の衛星テレビ「東方衛視」の報道番組によってであった。 同テレビ局が2カ月にも及ぶ潜入取材を行った結果、上海福喜の生産現場でさまざまな違反行為が行われていることを掴んだという。テレビで流された映像には、地面に落ちた肉を何事もなかったかのように戻す従業員の様子や表面が青く変色した期限切れの肉を平気で使用する場面がはっきりと映され、同社の杜撰な衛生管理の実態が明るみに出た。 外資企業だから標的に? 一連の報道は、日本では企業の不正に対するメディアの正当な告発だと普通に理解されているが、中国国内ではむしろ最初から、「東方衛視」の報道ぶりの「異様さ」が注目の的となった。中国国内の食品加工メーカーなら、上海福喜食品よりも酷いケースはいくらでもあり、上海福喜食品のケースはむしろ「軽い方」の部類に属するものだからであ