ウェブはアメリカ文明の落とし子である。 そこには「アタシの」性という 強力な因子がビルトインされている。 そのウェブ文明がハンバーガーや ジーンズのように世界を覆い尽くしている。 なぜアメリカからウェブが生まれたのか。 それはアメリカ文明の歴史的本質にもとづいて ウェブがつくられたからなのだ。 この最も簡明な答えが、 やっと池田純一によって綴られた。 先日、私が亭主役をしている「蘭座」で、福原義春さんが「文明はあきらかに劣化している」というメッセージを発し、そのいくつかの説明をした。4月に襲った軽い脳梗塞を克服しながらも、その直後の5月に転倒したため背中と腰の骨にヒビが入って歩行もままならない80歳を過ぎた福原さんが、この日は肩をかかえられながら本棚劇場に登壇して、しかし決然と「文明の劣化」を訴えたシーンには、本楼を埋め尽くした聴衆の多くが息を呑んだ。 明治以来の資生堂を福原一族の一員とし