ロシアのプーチン大統領がウクライナで何を狙っているのか、彼はなぜ民間航空機の撃墜につながるようなリスクをあえてとっているのか、そして米国とその同盟国はなぜ、彼の力の行使について、隣接したウクライナのみならず全欧州をも変えようとする努力だとみるべきか。それらを理解するためには、2つの国、つまりポーランドとウクライナの事情をみる必要がある。 まずポーランド。人口は3800万人。冷戦終結後、この旧ワルシャワ条約機構加盟国は西側陣営に向かった。冷戦終結直後にすぐさま欧州連合(EU)加盟を求め、1999年には北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。経済を近代化した後、2004年に正式にEUの一部になった。 このポーランドの隣に位置するのがウクライナだ。人口は4400万人。冷戦終結後、この旧ソ連衛星国は西に向かわず、東方のロシアとの伝統的な関係だけに専念した。 1989年の「ベルリンの壁」崩壊以