ある大学医学部の研究室で、教授が医学生に対して「いまどき分子メカニズムの研究でないと医学博士が取れない」と発言したという話からはじまる。津田氏は「分子メカニズムの研究でないと医学論文を書けない」などというのは嘘で、「人間の病気についての査読付医学論文は数多くでている」という。 氏は臨床医から臨床研究の相談を受け、簡単なアドバイスをすると研究がすすみ「なぜ大学医学部や医学研究科は、臨床研究のやりかたをちゃんと教えてくれないのか?」といわれるのだという。臨床研究は決して大規模なものでなくてもいいのだという。しかしいまだに動物実験こそが研究という風潮も強い。 日本の基礎研究の評価は比較的高い(世界での3位から6位)が、臨床研究は12位から25位である。その臨床研究も大学からではなく、国立がんセンターや愛知県がんセンターなどから出されているという。新薬認可のための治検も進まず、製薬会社まかせになっ