旅するように、本を読む。一冊の良書は好奇心を刺激し、読み手を新たな書へと駆り立てる。 この連載では、新規事業開発や広告制作を手がけると同時に、本をこよなく愛する筆者が、知的欲求を辿るように読んだ書籍を毎回3冊、テーマに沿って紹介していく。第1回は、「感性を磨く」ヒントとなる3冊。 産業革命以降の近代社会は、私たちに多大なる便益をもたらした。しかし、生産の効率性が追求される一方で、再現性の高い仕事ができる人材、言い換えれば「高性能にマシン化した人材」が量産されてきたのではないだろうか。さらに近年では、ビッグデータ、AI、IoTといった言葉を聞かない日はなく、STEM(科学・技術・工学・数学)がもてはやされている。 こうした時代の流れに対し、規模の拡大に目を奪われ、効率至上主義、テクノロジー信奉に陥ってしまい、感性を麻痺させてしまってはならないと説くのが『センスメイキング 本当に重要なものを見