認知症の高齢者や障害者などの成年後見人に選任された親族による業務上横領事件が後を絶たない。 成年後見制度が始まって4月で10年。後見人となる親族への研修もほとんどなく、専門家は「成年後見人に本人のための財産管理という認識が薄い。意図せず犯罪者を生み出す環境になっている」と指摘している。 読売新聞のまとめでは、親族による業務上横領事件の摘発は2000〜05年度は年間0〜2件で推移していたが、06〜09年度は計25件と急増。今年度は8件が摘発されている。 今年2月には、秋田、奈良、和歌山県で、成年後見人を務める親族らが相次ぎ同容疑で逮捕された。新潟県では、認知症の母親に支払われた交通事故の損害保険金2850万円を引き出し、旅行費用や車購入などに使ったとして業務上横領罪に問われた息子に、懲役2年4月の実刑判決が言い渡された。 最高裁によると、不祥事や職務怠慢などを理由に解任された成年後見人(保佐