横浜市は15日、日本ビクターから、同社所有の「第1工場ファサード」(神奈川区守屋町3丁目)の歴史的建造物認定を解除するよう申し出があったと発表した。解除する方向で手続きを進める。ビクターは近く解体工事を始める。 市によると、ビクターから「横浜工場売却に伴う諸事情により、現在地で現状保存することが不可能になった」などの説明を受けたという。ビクターはこれまで維持管理費用などとして市から受け取った助成金の全額を返納する。将来的に復元することも視野に入れ、解体後も設計図や一部部材を保管する。 「ファサード」は1930年完成。当時東洋一と呼ばれた蓄音機の製造工場の面影を残している。市は1999年度に歴史的建造物に認定した。