甲野先生以外では、もっとも強烈なインパクトを会うたびに与えてくれるN氏からいただいたヒントを、ここ2週間の間いろいろと工夫している。 現在のテーマは、いかに全身を協働させるか。 「全身の協働」と言ってしまうと簡単、あるいは何を言っているのかわからないのだけれど、例えば卓球のフォアハンドを振るとき、腕だけで振らない、ということである。 腕や手、指は、人間の身体の中でも日常的にもっともよく使うところだし、感覚も発達している。だから、普通に何か物事をやろうとすると、どうしても腕や手、指が働く。 卓球のフォアハンドの場合でも、例えば素人にラケットを持たせると、間違いなく腕だけでラケットを振ろうとする。これが徐々に上級者になってくると、足腰の力をラケットに伝えるようになってくるわけだ。 腕だけで振らず、全身でラケットを振る、というのは、そういうことだ。 「何それ? それが武術の応用? そんなの、卓球