創始者/サイモン・ジェフスによる〈ペンギン・カフェ・オーケストラ〉と実息子/アーサー・ジェフスによる〈ペンギン・カフェ〉。遠い記憶が紐解かれてゆきます。 〈ニューウェイブの嵐〉が吹く70年代中頃、ペンギン・カフェ・オーケストラの出現は一服の清涼剤のようでした。大袈裟ではなく〈救われた!〉という表現が適切だった。先鋭的であることがマストの時代、湿度のあるメロディーやハーモニーにぼくは飢えていました。そんな中、ペンギン・カフェ・オーケストラの音楽は先鋭的でありながらも陽だまりのように暖かかった。ペンギン・カフェ……と口にすると甘い香りがしました。 ペンギン・カフェ・オーケストラの創始者サイモン・ジェフスの早すぎる死(97年)は、かのジョン・レノンと並びショックでした。死後リリースされた『Piano Music』(2000年)もよく聴きました。似たようなサウンドのグループもたくさんありましたが、
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