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ブックマーク / www.news-postseven.com (48)

  • 【書評】大韓帝国ロイヤルファミリーの併合後の処遇とその後

    書評】『朝鮮王公族──帝国日の準皇族』新城道彦著/中公新書/840円+税 【評者】与那原恵(ノンフィクションライター) 大正初期に作成された現在の六木周辺の地図の、宮家や薩摩閥の邸宅が並ぶ鳥居坂の一画に「李王家世子邸」が記載されている。大韓帝国最後の皇太子である李垠(イウン)は十歳で東京留学し、三年後の明治四十三年に韓国併合を迎え、李王家の王世子(跡継ぎ)となった。 韓国併合に際して最大の懸案は、大韓帝国ロイヤルファミリーの処遇であった。天皇は詔書を発し、大韓帝国皇室嫡流を「王族」に、傍流を「公族」として、華族より上の身分を創設する。法的には皇族とみなされなかったが、礼遇上は皇族として扱われた。 昭和二十二年まで存続した朝鮮王公族だが、これまで日韓両国とも格的な研究はなされておらず、書は「帝国日の準皇族」をいきいきと描きだす初の書である。著者は、日韓近代史、植民地統治に対するイ

    【書評】大韓帝国ロイヤルファミリーの併合後の処遇とその後
  • 【書評】震災時の各国支援と放射能問題への世論の動きを検証

    書評】『大震災に学ぶ社会科学第7巻 大震災・原発危機下の国際関係』恒川惠市編/東洋経済新報社/3700円+税 【評者】山内昌之(明治大学特任教授) 東日大震災は、日の国際イメージにも大きな影響を与えた。日は適切に震災と福島原発事故に対処したのか否か、検証も不可欠である。日は外国による支援の申し出を相応に処理し、米軍と自衛隊の協力もうまく進んだと考えられている。 書は、専門家による共同研究全8巻のうち、日人があまり知らない在留外国人と各国大使館の動きを含めて、放射能汚染問題に対する外国政府と世論の動きをとりあげた示唆に富む書物である。 米軍のトモダチ作戦を別格とすれば、各診療科の専門医と最新医療機械を持ち込んだイスラエル・チームの水準が高く、エコノミー症候群に特化したヨルダン・チームの医療も効果を発揮するなど各国の支援はそれぞれの個性を発揮した。中東はもとよりロシア、インドネシ

    【書評】震災時の各国支援と放射能問題への世論の動きを検証
  • 【書評】戦後政治が行き当たりばったりになったのはなぜか?

    書評】『終戦詔書と日政治 義命と時運の相克』老川祥一著/中央公論新社/2800円+税 【評者】山内昌之(明治大学特任教授) 終戦詔書の作成過程を分析しながら、政治指導者の責任と「無責任」とは何か、を考えた書物である。終戦70年を迎える今年、敗戦時の指導者の無責任ぶりを声高に批判する現代の政治指導者のなかに、その責任を官僚などに転嫁して平然としている首相もいたことは記憶に生々しい。 困るのは、自分の判断ミスや不的確な行動で重大結果を招きながら、それを他人のせいにした首相だけでなかった。自分の判断にミスがあったという自覚も、それが重大結果を招いたという認識もない首相が現れるなど、いまの日政治がますます低レベルに変容していることを著者は危惧する。そこから書も生まれたのである。 著者が渾身の気迫で明らかにした終戦詔書の作成修正の過程は、戦後政治に理想がなく、筋道もなく行き当たりばったりにな

    【書評】戦後政治が行き当たりばったりになったのはなぜか?
  • ドローンを使った美しい空撮写真 許可取りは最低限のマナー

    首相官邸に侵入した事件を機に利用を規制する法整備が急ピッチで進められているが、小型無人飛行機・ドローンは流通や警備、災害救助など様々な分野での活用が期待されている。「空の産業革命」を生み出すといわれるドローン。その可能性に魅せられた写真家・林明輝氏は2年にわたり日列島を撮り続けた。 「最大の魅力は、人が普段近づけない場所から自由なアングルで写真が撮れるということです」──林氏は、いち早くドローンの可能性を確信した。今までは出会えなかった風景の数々。ドローンを使い始めてから2年間での撮影日数は450日以上に及ぶ。 使用するドローンは1台約50万円。そこに1kg程度のカメラとレンズを吊るし、常に映し出される画像をモニターで確認しながらドローンを操縦、シャッターを切るという作業を一人で行なう。手ぶれ補正機能を搭載した軽量なミラーレスカメラの出現により、低速シャッターでもぶれることなく撮影ができ

    ドローンを使った美しい空撮写真 許可取りは最低限のマナー
  • 武田梨奈&春日太一対談【1/3】千葉真一と武田の共通点とは

    クレディセゾンのテレビCMで披露した「頭突き瓦割り」で一躍注目を浴びた新進女優・武田梨奈(23)は、特技の空手を活かしたアクションで映画を中心に活躍の場を広げている。そんな彼女が「最近読んだ中で一番感動した」と語るのが、映画史・時代劇研究家の春日太一氏が上梓した『役者は一日にしてならず』(小学館刊)だ。「週刊ポスト」で春日氏が連載するベテラン俳優インタビューに大幅な加筆をした同著は、武田にとってこれからの役者生活の指針になる内容だったという。このをきっかけに武田と春日氏の対談が実現した。ロング対談全3回のうち、第1回をお届けする。 春日:武田さんのツイッターをフォローさせていただいているのですが、「アクションというのは、実は絡みの人たち、周囲の人たちに助けられて自分はやれているんだ」という内容を呟かれたのを目にしまして。これって『役者は一日にしてならず』の中で松方弘樹さんなど時代劇役者

    武田梨奈&春日太一対談【1/3】千葉真一と武田の共通点とは
  • 織本順吉 悪代官からいじめられっ子の父になった出来事語る

    ヤクザ映画に親分役でよく出演していた俳優の織順吉(88)は、テレビ時代劇でも悪代官などの悪役をよく演じていた。なぜ悪役に向くようになったのか、悪役の決まりきった芝居をやらなかったときのことについて語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる連載『役者は言葉でてきている』からお届けする。 * * * 織順吉は1970年代、東映のヤクザ映画に数多く出演している。『仁義なき戦い 完結篇』『新仁義なき戦い 組長の首』『実録外伝 大阪電撃作戦』といった実録映画では、堂々と構えながらも実は内心ではビクついている親分役を演じ、独特のユーモラスな雰囲気を出していた。 「僕は一生懸命に怖いヤクザの親分をやっているわけです。だけど、僕がやると怖くないんですよね。『わしには貫目が足りんのじゃ』というセリフがあったんですが。要は『貫禄がない』ということですね。それを言うと、そこに出ている役者仲間たち

    織本順吉 悪代官からいじめられっ子の父になった出来事語る
  • 90周年のキユーピーマヨネーズ 「ユ」が大文字の理由とは

    大正14年に発売されたキユーピーマヨネーズ。当時は高級品として珍重され、デパートのみでの販売だった。今では国民的調味料となった、キユーピーマヨネーズの歴史を紐解いてみよう。 創始者の中島董一郎氏が1915年に農商務省(現在の農林水産省と経済産業省)の海外実業練習生としてアメリカに渡り、出合ったのがマヨネーズだった。 「中島はアメリカ人の体格の良さはマヨネーズをべているのが一因と思ったそうです。アメリカのマヨネーズは黄身も白身も使う全卵タイプが主流でした。中島は、日人の体格を向上させたいという思いから、栄養価の高い卵黄のみを使った国産初のマヨネーズを作りました」(キユーピー広報部・田中友紀さん) 今もキユーピーのマヨネーズは卵黄のみを使っている。発売当時の日には生野菜をべる文化がなかったため、サケやホタテなどの魚介類につけるソースとして売り出した。試販売も行った。 「初年度は60

    90周年のキユーピーマヨネーズ 「ユ」が大文字の理由とは
  • R・キャンベル氏 日本人が外国人に褒められたがる理由分析

    【書籍解説】『日人のここが カッコイイ!』加藤恭子編/文春新書/体780円+税 最近、外国人の視点から日と日人を礼讃するが目立つ。『日人のここがカッコイイ!』、『ドイツ大使も納得した、日が世界で愛される理由』、『イギリスから見れば日は桃源郷に一番近い国』、『中国が愛する国、ニッポン』、『日人になりたいヨーロッパ人』、『外国人だけが知っている美しい日』……。 ここ1年間に出版されたものだけでも類書は軽く20冊を数える。その現象が意味するものは何なのか? 日文学研究者で米国出身のロバート・キャンベル氏が語る。 ──外国人から褒められると、日人の美徳とされていることに客観性があるような気がして嬉しい。しかし、これだけ並ぶと“ほんとかよ”と疑問も浮かびます。 キャンベル:実は私もここ2、3年、そのようなを書いてくれないかと数え切れないくらいオファーをいただいていまして(笑

    R・キャンベル氏 日本人が外国人に褒められたがる理由分析
  • 大学生と高校生 喫茶チェーン「ルノアール」のすごさを語る

    ここ数年、フリー電源を完備したカフェを目にすることが増えた。スマートフォンの充電やパソコンを利用した作業など、利用者のニーズに対応したかたちだ。店舗によって無料電源を備えるカフェや、作業スペースとして利用料を別途徴収するカフェなど、さまざまだ。 しかし、受験シーズンやテスト期間中、大手チェーンは勉強目的の学生の利用者が増加し、時間制限が設けられたり電源席に客が集中するなどの現象が起こっている。 こうした状況を受けて、学生の間で注目度が上がっているのが、老舗の喫茶店チェーン『喫茶室ルノアール』だ。これまで、どちらかというと利用者はサラリーマン層が多いイメージだったが、学生たちの「穴場スポット」となっているのだという。卒業論文を執筆する際に、同店をよく利用していたという男子学生Aさん(22歳)は次のように話す。 「卒論を書くためにパソコンを使うのでコンセント完備のカフェを探していました。元々『

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  • 記者が子宮頸がん患者データ横流し 共同通信は厳正対処を宣言

    昨年5月、人事部長による「就活女子学生への不適切行為」が発覚した共同通信社が、再びベテラン社員の“不適切行為”で揺れている。 去る2月25日、都内で「子宮頸がんワクチンの危険性」を訴える国際シンポジウムが開催された。同ワクチンは昨年4月に国が定期接種に指定したものの、接種後に体の痛みを訴える報告が相次ぎ、2か月後に厚労省が「積極的な接種勧奨を控える」と判断したままの状態が続いている。 現在は推奨派と即時中止派の激しい医学論争が繰り広げられている最中だが、その反対派シンポジウムの司会役を務めていたのが、共同の海外部に在籍する50代半ばのF記者だった。 「大ベテラン英文記者のFさんは、共同通信刊行書籍の翻訳を任されたこともある。語学力を買われ、欧米の学者が集まるシンポジウムの司会兼通訳を頼まれたようです」(共同関係者) メディアのベテラン記者がそうしたシンポジウムに招かれることは珍しいことでは

    記者が子宮頸がん患者データ横流し 共同通信は厳正対処を宣言
  • 「仕事」を表す英単語 work、job、taskの違いとはなにか

    英語の「ヒップ(hip)」=「お尻」と覚えている人は多いのではないか。だが、その感覚で話すとネイティブには違うニュアンスで伝わる。ヒップが実際に示すのは腰骨の一番出っ張った部分だからだ。日人が考える「お尻」のことは「バトックス(buttocks)」もしくは「ボトム(bottom)」といったほうが伝わりやすい。 似た例は他にもある。「チャレンジ(challenge)」という言葉は、来は「(人に)挑戦する」という意味だ。つまり、「難しい仕事にチャレンジする」は、やはりネイティブに違和感を与えてしまう。 簡単な単語やフレーズでも、理解しているようで実は意味や使い方を間違えやすい英語表現は多い。学校での「和文英訳」や「一語一訳」教育の弊害といえる。 大人が英語を学び直すというと、とかく文法や難しい単語を必死で覚えようとするケースが多いが、実際には中学英語で習う単語さえ駆使できれば、たいていの日

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  • 学会で一大論争 江上波夫氏「騎馬民族説」が残したもの

    における最初の統一国家=ヤマト政権は、大陸からやってきた騎馬民族による征服国家だった考古学者の故・江上波夫(東京大学名誉教授)が戦後間もない時期に提唱した「騎馬民族日征服説」は、「皇国史観」に親しんでいた日人を驚愕させ、学界に論争を巻き起こした。東京大学大学院教授・小島毅氏が「騎馬民族説」とはなんだったのか考察する。 * * * 「騎馬民族説」は、1948年5月、民俗学者の岡正雄、考古学者の八幡一郎、人類学者の石田英一郎と行なった雑誌企画の座談会で江上波夫が提唱し、その後、「騎馬民族説=日国家の征服王朝説」として拡充・発展させたものだ。 その主たる根拠は、古墳時代後期(6世紀前半)になると、大和地方の古墳群の副葬品にはそれまで見られなかった大陸の影響を窺わせる馬具類が多く見られることである。江上は記紀(『古事記』と『日書紀』)にもその傍証を求め、神武東征伝承は騎馬民族が九州から

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  • 軍歌歴20年の30歳 軍歌サイト運営者が軍歌史を仔細に綴る本

    書評】『日の軍歌 国民的音楽歴史』辻田真佐憲著/幻冬舎新書/840円+税 【評者】平山周吉(雑文家) 弱冠三十歳にして、軍歌歴二十年、という奇特な若者のである。ミリタリー趣味が嵩じて、というのは予想通りだが、戦史やメカに向かわずに、軍歌というのが珍種ではないか。軍歌のウェブサイトも運営しているが、ドライな、醒めた視点で軍歌を取り扱っていて、それゆえ見晴らしがいい。 「軍歌は日史上最大のエンタメだった」というのが、著者の宣言である。血なまぐさい軍歌とエンタメという娯楽産業が、どうして結びつくのか、とびっくりする。しかし、軍歌の歴史を仔細にたどっていくと、納得、ということになる。 帝国大学や音楽学校のエラい人が手がけた初期の軍歌が、日清戦争を契機に、民衆の手に渡っていく。ニュースとしての軍歌が歌われ、人々は苛烈な戦場を疑似体験して、感動に酔う。英雄や軍神がキャラクターとして消費される

    軍歌歴20年の30歳 軍歌サイト運営者が軍歌史を仔細に綴る本
  • 滝田栄の大河ドラマの琵琶法師役 最終回は自分で琵琶弾いた

    役者歴40年に及ぶ俳優・滝田栄が、大河ドラマ、朝の連続テレビ小説と続けて出演したころについて語った。映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる連載『役者は言葉でてきている』からお届けする。 * * * 1979年、滝田栄は鎌倉幕府草創期を描いたNHK大河ドラマ『草燃える』に出演する。この時、滝田が演じた伊東祐之は脚家の中島丈博が創作した人物で、御家人から転落して人生の裏街道を歩き抜き、最後は目を抉(えぐ)られて琵琶法師になるという、時代の闇を象徴する役柄だった。 「最初から中島丈博さんに『最終回の最後のシーンは出来ている。主役の権力者たちを前に平家物語を吟じてほしい。目をつぶされても、人間として心の目を開く。僕はそこを描きたい。だから汚れ果ててほしい』と言われていました。劇団四季で子ども向けミュージカルを我慢しながら演じていた時でしたから、大人の芝居ができるのが嬉しかったですね。汚れも綺麗

    滝田栄の大河ドラマの琵琶法師役 最終回は自分で琵琶弾いた
  • ベトナムで高まる日本語ブーム 現地で教えた元教師が述懐

    ベトナムで空前の日語ブームが起きているという。かつてホーチミン市で日語教師をしていたフリーライター・神田憲行氏がベトナム人の日語熱について語る。 * * * 9日の朝日新聞の報道によると、ベトナムから日への昨年度の語学留学生は前年比の4倍になり、ハノイやホー・チ・ミンの日語学校は、現地に進出している日企業への就職を狙ったベトナム人学生たちが増えているという。 私も今から20年ほど前、ホー・チ・ミン市で日語教師をしていた。日人教師が私を含めて6名、生徒数は約600人。市内でも最大規模の外国語学校だったと思う。生徒さんの大半は社会人だった。 日語を学ぶ目的は日系企業への就職や、日人相手の商売であることは今と変わらないが、2国間の関係が大きく異なる。当時、日はベトナムに経済制裁を加えており、まだ日の大企業は格的に進出していなかった。日の領事館に長期の滞在届けを出してい

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  • 【書評】ムーミンの作者による愛しくて怖い人生のスケッチ集

    書評】『旅のスケッチ トーベ・ヤンソン初期短篇集』/トーベ・ヤンソン・著 冨原眞弓・訳/筑摩書房/1600円+税 【評者】鴻巣友季子(翻訳家) 小さい頃、「ムーミン」が少し怖かった。ニョロニョロという、群れをなして蠢く口をきかない生き物も怖かった。それもそのはず、ムーミンは、「ガルム」という政治雑誌の風刺画に始まる。ヤンソンのスピリッツは元々、優しいおとぎ話のそれではない。 今年は作者の生誕百周年。『旅のスケッチ』は、戦前のパリ、ドレスデン、ヘルシンキ、ヴェローナ、カプリなどを舞台にした八作を収める短篇集で、挿絵もたっぷり入っている。 執筆時期は第二次大戦前から戦中にかけて、フィンランドが主にソ連、ドイツの両大国からの脅威に晒されていた頃だ。ムーミンの原型とされる水彩画「黒いムーミン・トロール」(一九三四年)にもその影が色濃く映しだされているが、書収録のデビュー作「大通り」が書かれたの

    【書評】ムーミンの作者による愛しくて怖い人生のスケッチ集
  • 甲子園地方大会で珍事件 「スタメン9人中7人が『菊池』」

    現在、全国で甲子園予選が行われているが、甲子園中継を見ていると、沖縄県勢の「比嘉」や愛媛県の「越智」など、各県の代表チームに同じ名字が集中していることがある。さすがに多くてもベンチ入り選手の中に3~4人ぐらいだが、地方大会のレベルでは、「同姓の選手だらけ」ということが当に起こりうる。野球史研究家・姓氏研究家の森岡浩氏がいう。 「1998年の岩手県予選に参加していた遠野高校には驚きました。菊池という姓の選手が大変多く、部員54人のうち19人が菊池姓でした。もともと遠野地方には菊池姓が非常に多いのですが、この年はなぜか実力のある選手に菊池姓が多く、エースと主将の2人を除いて、スタメン9人のうち7人が菊池姓でした」 球場のアナウンスも大変だっただろう。 ※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号

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  • 【書評】「批評の神様」小林秀雄が若者に語った白熱教室実録

    書評】『小林秀雄  学生との対話』/国民文化研究会・新潮社編/新潮社/1300円+税 【評者】平山周吉(雑文家) 横町のご隠居と生真面目な学生たちが真剣勝負で対話している。時々、その場に爆笑の渦がおきる。受けて立つご隠居の緩急自在の話しぶりが学生たちの緊張をときほぐしたのだ。「僕は教育者じゃないから」と、隠居を自認しているのは、批評の神様・小林秀雄である。書は、老年期にさしかかった批評家が、戦後日の現状に危機を感じ、若い人に積極的に語りかけ、なにものかを伝えようとした「白熱教室」ドキュメントである。 この時期、小林はベルグソンと居宣長という二人の天才のことを考え詰めて、書きあぐねて、頭がはち切れんばかりになっていた。そうした話題が多いのは当然だ。しかし、そればかりではない。「今僕は暗中模索で」という蒼白い人生相談風悩みにもやさしく答える。「僕たちの天皇に対する接し方」といった難問に

    【書評】「批評の神様」小林秀雄が若者に語った白熱教室実録
  • 杉良太郎 舞台切腹シーンで豚の臓物と血を使い劇場が大混乱

    1967年に『文五捕物絵図』で主演して以来、『遠山の金さん』や『大江戸捜査網』など、悪を懲らしめるヒーローを多く演じてきた杉良太郎だが、悪党をどう死なせるかよりも、どうやって死ぬかにこだわってきたという。死の美学を追求してきたという杉が語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる。 * * * テレビ時代劇でのヒーロー役のイメージが強い杉良太郎だが、NHK大河ドラマ『武田信玄』での北条氏康役や『徳川慶喜』での井伊直弼役などでは印象的な死に様を見せてきた。また、主演舞台でも悲劇的な結末を迎えることは少なくない。 「今度はどうやって死んでやろうかって、ずっと考えているんです。死の美学というのを追求してね。人間は誕生する時には意思はないけど、死は自分の手によってできる。ですから、この役はどう斬られ死んでいったのか、苦しかったのか、痛かったのか、どんな想いでいたのか、追求するんですよ。

    杉良太郎 舞台切腹シーンで豚の臓物と血を使い劇場が大混乱
  • 子供の名前 夜舞刀、亜羅史に画数悪いと「。」つけたがる親

    最近の子供たちの中には実に個性的な名前が多い。ある学習塾の女性塾長は、「結愛という名の子が、4人いました。全部、読み方が違う」(読み方は〈ゆいあ〉〈ゆいな〉〈ゆあ〉〈ゆめ〉)と頭を痛めるが、さらに個性的な名前が区役所に届けられているという。作家の山藤章一郎氏がリポートする。 * * * 頭がこんがらかりますから、読み方も添えます。 夜舞刀(やまと)稀羅璃(きらり) 羽亜都(はあと)亜羅史(あらし) 絵麗菜(えれな)姫華璃(ひかり) 魅留久(みるく)奈菜花(ななは) 画数を気にして、これに「。」や「、」をつけたいというトンデモ親もいる。法律で禁じられているわけではないが、役所は不受理と判断する。 女の子に〈結愛〉と同様に、はやっているのが〈心美〉。 これも誰も読めません。〈ここみ〉と呼ぶ。〈心〉は〈こころ〉であって〈ここ〉ではない。しかし、そう呼んでくれと願う親がいる。 では、居酒屋の「笑笑

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