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ブックマーク / gendai.media (391)

  • 「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz

    2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設で殺傷事件が起きた。「生産性のない人間は生きる価値がない」。植松聖死刑囚は犯行直後こう語っていた。奇しくも事件から4年を迎える直前には、ALSの女性が殺害された事件が話題となり、「役に立つ生」という発想に取り憑かれた私たちの社会をめぐる議論が盛んになっている。 『群像』2019年10月号に掲載された、文筆家の木澤佐登志氏による随筆は、こうした問題の一面を切り取っている。ここに再掲する。 ある番組が映したこと 卓で両親とテレビを見ていた。そのときテレビには知的障害者の男性が映し出されていた。その某国営放送の番組は、相模原障害者施設殺傷事件から明日で3年という節目に作られた特集らしかった。 冒頭、アナウンサーが「全国の18歳以上の男女に電話で世論調査を行ったところ、障害者への差別や偏見は「社会にある」と答えた人が80%近くにのぼりました」と言

    「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz
  • 呉座勇一の直言「再論・俗流歴史本-井沢元彦氏の反論に接して」(呉座 勇一)

    以前、私は現代ビジネスで、作家の井沢元彦氏が歴史学界を「専門バカ」と誹謗中傷しつつ、根拠の乏しい自説を「歴史ノンフィクション」と銘打って発表していることを批判し、氏の「仮説」の問題点を具体的に指摘した。 「俗流歴史」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る井沢元彦氏の批判に答えて(2019.06.13) これに対し井沢氏は今月の新刊『逆説の日史25 明治風雲編』(小学館、以下『逆説』と略記する)で反論を行った。井沢氏は私にわざわざ上記のを送って下さったので、氏の反論にお答えしようと思う。それによって、「俗流歴史」に共通する問題点が浮かび上がるはずだ。 井沢氏の反論は多岐にわたるが、最大の論点は氏の「ケガレ忌避のための首都移転」説(以下、「ケガレ移転説」と略記する)の是非である。 井沢氏によれば、古代においては天皇一代ごとに首都が移転していたという。 そして井沢氏は、「首都移転を繰り返

    呉座勇一の直言「再論・俗流歴史本-井沢元彦氏の反論に接して」(呉座 勇一)
  • 安倍首相も小池都知事も「空虚だけど支持される」現実をどう理解するか(石戸 諭,ブレイディ みかこ) @gendai_biz

    今、日とイギリスで何が起きているのか? キーワードは「空虚」? SNS時代に私たちが忘れていることとは? 『ルポ 百田尚樹現象〜愛国ポピュリズムの現在地』著者でノンフィクションライターの石戸諭さんと、ベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者で、新刊『ワイルドサイドをほっつき歩け』も大きな話題となっているブレイディみかこさんが縦横に語り尽くす。 イギリスと日のおじさんたち 石戸 ブレイディさんの新刊『ワイルドサイドをほっつき歩け』(筑摩書房)をとても面白く読みました。ベストセラーになった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)は息子を通して見えてくるイギリスの格差や差別を描くというもの。それが、今回の主役は一転して周囲にいるおじさんたちです。 僕が非常に興味深かったのは、こので描かれたイギリスのおじさんたちと同様に、日のおじさんたちも一番のマイ

    安倍首相も小池都知事も「空虚だけど支持される」現実をどう理解するか(石戸 諭,ブレイディ みかこ) @gendai_biz
  • ドンブリ界の異端児「すた丼」、男たちが“鉄の掟”に惚れ込む理由(村瀬 秀信) @moneygendai

    『気がつけばチェーン店ばかりでメシをべている』。そのタイトルに誘われ、一読すれば各店の「あるある」や「なるほど」に納得させられた人気“メシもの”エッセイ第2巻『それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシをべている』がついに文庫化! 誰もがきっとべたことのあるおなじみのチェーン店36店を収録した書の中から、今回は「伝説のすた丼屋」を語ったパートを公開します。 若い連中に腹いっぱいわせてあげたい “掟”。 誰もが自由を享受する、この21世紀の世の中において、これだけ強い拘束力と閉鎖的な約定を臭わせる言葉は絶滅寸前である。 その誓いは血よりも濃く、背いた場合は相応の償いを迫られる。白土三平漫画あたりの常識であれば、どんなに逃れようとしても地の果てまで組織に追われ、悲惨な最期を迎えるのは必定。 そんな、物騒すぎる日古来の伝統が、のんきな平成日で「さて、丼メシでも」と、気楽に入った店の中

    ドンブリ界の異端児「すた丼」、男たちが“鉄の掟”に惚れ込む理由(村瀬 秀信) @moneygendai
  • 日本人はどうして山を信仰してきたか?「山の宗教」の歴史を読み解く(菊地 大樹)

    各地には「霊山」と呼ばれる、信仰の対象になっている山が数多くあります。そのような信仰は、長い日歴史の中で、社会の変動ともかかわりながら変化してきました。そして今、山と人々の関係は決定的に変化しようとしています。 山と人々の信仰との関係を描いた「山と人の宗教誌」である、菊地大樹氏による現代新書の最新刊『日人と山の宗教』から、その序章を紹介します。 立山連峰を目指して 北アルプスに位置する立山連峰。富山平野からも、すっくと屹立する雄姿を望むことができる。それがそのまま、山の名前となった。筆者が友人2人とともにここを訪れたのは、9月上旬にしては珍しいほどのさわやかな好天の日であった。立山には、富山市街から常願寺川沿いに鉄道とバスが整備され、いまでは室堂平(むろどうだいら)まで容易に至ることができる。しかし、かつてひとびとはこの道を、ひたすら歩いて頂上を目指した。 富山平野の縁辺部が、山

    日本人はどうして山を信仰してきたか?「山の宗教」の歴史を読み解く(菊地 大樹)
  • 安倍政権下でなぜ日本は「縁故資本主義」になったのか、その本質的理由(松尾 匡) @gendai_biz

    安倍政権下でなぜ日は「縁故資主義」になったのか、その質的理由 アベノマスク、持続化給付金問題の構造 コロナ禍以降、政治家や官僚との「縁故」が悪用されていると思しき事態が相次いだ。アベノマスクの生産では実績のない企業と随意契約が結ばれており、持続化給付金事業では実態のよくわからない企業が「再委託」を行って濡れ手に粟の金を稼いでいた。 今回だけではない。安倍政権下ではこれまでも、森友学園、加計学園の問題に象徴されるように、権力者との距離によって事業を有利に進められるか否かが決まっていると思われてもおかしくないような事態が起きてきた。 こうした縁故が物を言う資主義を「縁故資主義(=クローニー・キャピタリズム)」と呼ぶが、しかしこれは不思議な話ではないか。安倍政権は後で詳述するように「新自由主義的」な政策をとっていると見られてきた。新自由主義では、こうした非効率が打破され、効率的な行政サ

    安倍政権下でなぜ日本は「縁故資本主義」になったのか、その本質的理由(松尾 匡) @gendai_biz
  • なぜ日本の「人種差別」は“ないこと”にされるのか、その社会構造(下地 ローレンス吉孝) @gendai_biz

    世界中に広がる抗議運動 ジョージ・フロイドさんが警察官によって殺害された事件が起こり、アメリカでは「#BlackLivesMatter」の運動や抗議のデモが各地で連日繰り広げられている。 様々なメディアが連日伝えているように、警察官によるアフリカ系市民への暴力と殺人は今に始まったことではなかった。 1965年、ロサンゼルスのワッツ地区で黒人が白人警官によって逮捕されるが、近隣の黒人住民が多く集まったことで、その時の白人警察の残忍な行為が世間に知れ渡った。 半世紀以上経った今でも同じ現実が続いている。ジョージ・フロイド事件は5月25日だったが、その2日後にはフロリダ州タラハシーで、トランスジェンダーのトニー・マクデイドさんが警官に射殺されている。 ジョージ・フロイド事件をきっかけとした抗議運動はアメリカ国内を超え、イギリス、韓国、フランス、ニュージーランドなど各地へ広がった。 6月6〜7日に

    なぜ日本の「人種差別」は“ないこと”にされるのか、その社会構造(下地 ローレンス吉孝) @gendai_biz
  • 激レア薬草も麻薬原料も1600種栽培!「薬用植物園」に潜入したら(リケラボ)

    約7000種類もの植物が生育する国、日。豊かな植物に恵まれていることもあり、薬草が重宝されてきました。それは現在でも変わることなく、漢方薬として一般生活に普及しています。 そんな薬用植物を世界中から集めて研究しているのが、東京都薬用植物園です。今回、ここで働く東京都の職員であり薬剤師でもある主任研究員 中村耕さんにお話をうかがいました。 東京都内でただ1ヵ所の公立の薬用植物園 ──まずは東京都薬用植物園について教えてください。 国内だけでなく世界中の貴重な薬草や草木など約1600種を栽培している都内で唯一の公立の薬用植物園です。薬用植物の調査や収集、試験検査はもちろんのこと、植物園として一般の方にも開放されていて無料でご覧いただくことができます。 ──そもそも薬草は、病気とか怪我に効果がある植物という認識で大丈夫ですか? 薬用植物ですから、その名の通り薬効を期待して用いられる植物を総称し

    激レア薬草も麻薬原料も1600種栽培!「薬用植物園」に潜入したら(リケラボ)
  • "Black Lives Matter"どう日本語に訳すかという本質的な問い(矢口 祐人) @gendai_biz

    アメリカ合衆国ミネソタ州でジョージ・フロイド氏が警官により殺害されたことを契機に、アメリカ中でBlack Lives Matterの運動が激化している。その影響は世界各地に広まっていて、日でも盛んにメディアで取り上げられている。 ところで、Black Lives Matterを日語に訳すとどうなるだろう。 ネット上で調べてみたところ、大半は「黒人の命も大切」、あるいは「黒人の命は大切」となっている。主要メディアについては、NHKと朝日新聞が「黒人の命も大切」としており、読売、毎日、日経、産経新聞は「黒人の命は大切」と訳しているようだ(6月17日時点)。 Black Lives Matterは今年始まった運動ではない。2013年以降、アメリカでは継続的に続いている。しかし定訳がいまだに日の主要メディアの間でも固まっていないことが示しているように、たった三つの言葉が並ぶこのフレーズは、日

    "Black Lives Matter"どう日本語に訳すかという本質的な問い(矢口 祐人) @gendai_biz
  • 何度も問題になる「音楽と政治」の関係をもう一度考えてみませんか(柴崎 祐二) @gendai_biz

    「表現者は政治的なスタンスを表明すべき」か コロナ・ショックがこの国を覆ってから、政府発対策の不備への批判や、あるいは緊急事態宣言下において強行採決されようとしていた検察庁法案改正への異議申し立てなど、多くの「政治的表明」が様々な人々から発された。 ときに「ハッシュタグ・アクティビズム」などと呼称されるそれらは、かねてより「政治的発言」をネット上で発信してきた人々にとどまらず、「穏健」を自称する一般の人々や、あるいは芸能人を含む著名人をも巻き込み、近年まれに見るオンライン上の「運動」として可視化された。 そうした状況に及んで、特に芸能人に対して、「あなたが政治的な発言をするのは残念」あるいはもっと直接的に「政治的な発言をするな」といった言説が一部から投げかかれられ、反駁するものと賛同するものたちで小競り合いが頻発している様子も多く観察されている。 一方で、この状況の裏面的展開として、「音楽

    何度も問題になる「音楽と政治」の関係をもう一度考えてみませんか(柴崎 祐二) @gendai_biz
  • 韓国の女性たちが「声を上げ、生き方を変え始めた」理由(すんみ) @gendai_biz

    韓国の女性が声を上げている。セクハラを告発し、女性のための政党を作り、堕胎罪に反対するデモを行う――かつては考えられなかった女性たちの行動が、いまや当たり前のものとなった。いったい韓国社会に何が起きたのか。韓国の空気をガラリと変えた「江南駅殺人事件」から4年が経った今、6人の著者が、様々な分野の「女性たちの変化」を前後編で紹介する。 ※執筆者:尹怡景、すんみ、ファン・ギュンミン、宣善花、木下美絵、キム・ジュヒ。企画・翻訳協力:小山内園子。執筆者の選定は翻訳家のすんみさんの協力のもと行いました。各章の担当は記事末尾に掲載しています。 変わりゆく女性たちの認識 運転する女性は「キム女史」、ブランド物を身につけ、スターバックスに行く女性は「味噌(テンジャン)女」、意見をはっきり言う気の強い女性は「キムチ女」。そんな呼び方がもてはやされる時代があった。明らかに女性を蔑視する表現であるにもかかわらず

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  • 台湾のコロナ対策を賞賛する、日本の人たちに知ってほしいこと(李 琴峰) @gendai_biz

    「望む政治を手に入れるためには声を上げ、行動しなければならない」。コロナ対策が賞賛されている台湾だが、その高度な施政は、市民が「行動」し続けてきた結果なのかもしれない。著書『ポラリスが降り注ぐ夜』で、ひまわり学生運動とLGBTの権利拡大の関係などを描いた作家の李琴峰さんが、台湾の市民運動の歴史を振り返る。 感染者数・死者数とも世界最低レベル コロナウイルスが蔓延る中、台湾政府の対応が世界中から注目を集めている。 台湾は昨年末からいち早く中国の感染拡大に関する情報を手に入れ、世界保健機関(WHO)に報告した(「既読スルー」されたが)上で、国内でも様々な対策を矢継ぎ早に打ち出した。 水際対策の強化、対策部の成立、感染地域から/への渡航制限、マスクの増産、マスク輸出禁止措置や実名購買制度の実施、罰則つきの対策法の立法、ITの活用など、ウイルス封じ込めの根幹となる政策は概ね1月中に実施され、その

    台湾のコロナ対策を賞賛する、日本の人たちに知ってほしいこと(李 琴峰) @gendai_biz
  • 脅迫・中傷・投石・落書き・密告…多発する「コロナ差別事件」の全貌(辻田 真佐憲) @gendai_biz

    新型コロナウイルス感染症で、不安の暴走が止まらない。日各地で、信じがたい差別事件が相次いでいる。 「感染している学生の名前や住所を教えろ」「殺しに行く」(朝日新聞、4月8日)、「学生を殺しに行く」「学生の住所を教えろ」「大学に火を付ける」(毎日新聞、4月16日)、「殺す」「この時期に海外旅行なんて生物兵器かよ」(北海道新聞、4月20日)。 これらはすべて、集団感染が発生した京都産業大に寄せられた脅迫電話やメールの文言である。さらに同大では、学生がアルバイトの出勤を拒否されたり、職員の家族がこどもの保育を断られたりする被害も出たという。 これひとつでもたいへんな問題だが、いまはコロナ禍でどんどん新しいニュースが報道され、古いものはすぐ流れ去ってしまう。 これでは同じことが繰り返されかねない。そこで以下では、ここ約1ヵ月に報道された差別事件などを振り返ることにしたい。 これを読むと、中世の魔

    脅迫・中傷・投石・落書き・密告…多発する「コロナ差別事件」の全貌(辻田 真佐憲) @gendai_biz
  • EU離脱の原点ーー「イギリス版ファシズム」という黒い歴史(河野 真太郎)

    ブレグジットと排外主義 2020年1月31日、イギリスは正式にEUから離脱した。この離脱を問う国民投票が行われたのが2016年6月23日。実に3年半の紆余曲折を経て国民投票の結論は実行に移された。 この投票結果について、当時から現在までずっと繰り返されている説明の「型」がある。それは、EUからの移民労働力によって自分たちが職を脅かされていると考えた「排外主義的な労働者階級」が、移民排斥の意図をもって離脱を支持した、というものである。そしてそれに対し、リベラルで排外主義的ではない「多文化主義的な中流階級」は、EU残留に票を投じた、と。 この説明にはある程度の説得力があるし、数字もそれを裏付けているように見える。例えば、マーケティング・リサーチ企業イプソスによる調査結果を見てみよう。念のため、国民投票全体の結果はEUからの残留支持が約48%、離脱支持が約52%であった(投票率は72%)。イプソ

    EU離脱の原点ーー「イギリス版ファシズム」という黒い歴史(河野 真太郎)
  • 科学を「役に立つ」だけで語ってはいけない、ノーベル賞学者の思い(現代ビジネス編集部) @gendai_biz

    【前編はこちら】 「膜」の面白さ 伊藤 私は、現在は人文系の研究者ですが、もともとは理系で、学生のときは生物学をやっていました。その中ですごく面白いなと思っていたのが「膜」でした。「膜」というものが生命を作るのだ、ということに感動していました。「膜」は、内と外を分けつつも両者をつないでいる、とても不思議なものですよね。 人文系では人間が単位になってくるので、どうしても「個」という分かれたものから発想しがちです。そこから「主体性」とかその人の「能力」といったことが議論される。でも、「膜」のことを考えると、当にそうなのかな、という疑問がわきます。そんなに分かれているのかな、と。 たとえば、障害を持っている人と関わっていると、能力というのはネットワーク的なものなのではないかと思います。ある人が見えなくても、その人は巧みに別の人の視力を使いこなして、生きていたりする。「見る」という能力が「個」か

    科学を「役に立つ」だけで語ってはいけない、ノーベル賞学者の思い(現代ビジネス編集部) @gendai_biz
  • 太宰治の古書で一番「価値がある」作品は? 古書探偵が解き明かす!(松本 彩子)

    古書とは何なのか? 古書についてのルールとは? そして古書を求めて集まる名士たちのエピソードと事件の数々・・・・・・ そんな古書をめぐる「謎」を、きっての「古書マニア」である「古書探偵サイコ」が解き明かす、連載第一回です! 「白っぽい」と「黒っぽい」 私の名前はサイコ。かつて神田神保町で『人魚の嘆き』というBARを開いておりました。実は、私には「古書マニア」という別の顔がございます‥‥‥。 古書とは何か、古書のルール、そして古書に集う多士済々・個性豊かな方々と豊饒な市場・・・・・・このお話はそんな古書をめぐる「謎」について解きあかしていきたいと思います。 古業界で俗に「白っぽい」、「黒っぽい」という業界用語がございます。前者は素人が好むタイプの、後者は玄人好みのと思っていただければよろしいかと存じます。 文学蒐集家にとって、夭折した作家の処女作などは胸に迫るものがございます

    太宰治の古書で一番「価値がある」作品は? 古書探偵が解き明かす!(松本 彩子)
  • 新型コロナ「興行大打撃」は、コレラ流行の時代と驚くほど似ていた(笹山 敬輔) @gendai_biz

    「丸之内の大消毒 丸ビル、劇場に保菌者発見」 丸ビルおよび周辺のビルや劇場で感染者が発見されたため、丸の内一帯の大消毒が行われた。今からおよそ100年前、大正14(1925)年12月21日の『東京朝日新聞』の記事である。 丸ビルこと丸ノ内ビルヂングは3年前に竣工したばかり、低層階をショッピングモールにしたオフィスビルの先駆けであり、大勢の人が行き来する場所であった。 つい先日、新丸ビルで新型コロナウイルスの感染者を確認し、ビルの消毒が行われたことは記憶に新しい。近年、日人が感染症の脅威を身近に感じる機会は少なかったが、歴史を振り返ると、感染症は常に隣り合わせに存在していたのである。 記事中の劇場とは、かつて有楽町にあった邦楽座のことだ。現在、政府からのイベント自粛要請によって、多くの劇場で公演中止が続いているが、明治のころから、興行は感染症を理由にいく度も禁止されてきた。換気が悪く、人が

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  • 「人権」と「思いやり」は違う…日本の教育が教えない重要な視点(池田 賢市) @gendai_biz

    多様性を尊重できない教室 今日、「多様性」の尊重・承認は、どの分野においても重要視されている。この点は、教育政策においても、決まり文句のように語られている。しかし、その実態はかなりあやしい。 たとえば、学校教育が、男女という性別をめぐる固定観念・偏見からどれだけ抜け出せているかどうかを考えただけでも、そのことがよくわかるのではないか。世の中では、ようやく「性の多様性」という言い方が一般化しつつあるとはいえ、学校文化はまったくそれに対応していない。 ほかにも、日語指導が必要な外国にルーツをもつ子どもたち、また、さまざまな障害のある子どもたちが安心して学べる環境が未だに整備されていないことを考えても、多様性の尊重が実態を伴っていないことがよくわかる。それどころか、むしろ近年、このような子どもたちを普通学級から排除していく方向が顕著となってきている。 また、不登校の子どもたちに対しても、「別の

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  • コロナ感染、日本人が見落としがちな「手洗い」の意外な落とし穴(村上 和巳) @moneygendai

    WHOが推奨する「5つの予防策」 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が徐々に日国内でも蔓延し始めている。 3月8日午後12:00現在、国内で確認されている感染者(検査による陽性、ダイヤモンドプリンセス号は除く)は454人、うち症状がある人は408人、死者は6人。 現在判明している新型コロナウイルスの感染経路は咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを含む唾など(飛沫)を吸い込む「飛沫感染」、感染者から発生したウイルスが付着したものを手で触り、その手で口や鼻を触るなどをして体内にウイルスが入り込んで感染する「接触感染」の2つ。 急激な感染者の増加により、一部では感染者から飛び散った飛沫から水分が抜けた状態でウイルスが長時間空気中を漂い、それを吸い込むことで感染が起こる「空気感染」を危惧する向きもあるが、今のところその証拠はなく、大方の専門家も限定的だ。 一方、ここ最近の報告からは感染

    コロナ感染、日本人が見落としがちな「手洗い」の意外な落とし穴(村上 和巳) @moneygendai
  • 映画『Fukushima 50』はなぜこんな「事実の加工」をしたのか?(中川 右介) @gendai_biz

    福島第一原子力発電所の事故を描いた映画『Fukushima 50』(若松節朗監督)が3月6日公開される。 これは、一種の「戦争映画」だ。福島第一原発を戦場として描き、吉田所長以下の職員たちを兵士として英雄的に描く。 娯楽映画として、よくできている。 原発のプラント内の再現度が高い。といって、私自身が実際の原発を見ているわけではないので、どこまで再現されているかは確証できないが、リアルに感じた。 凄まじい事故だということ、原発内部の構造がよく分かる。そして、現場の職員たちの危機感もよく伝わってきた。よくぞ、日は無事だったと思う。 しかし、大きな問題のある映画だ。 混乱の元凶は「総理」だったのか? 娯楽映画なので、作劇上、主人公であるヒーローに対し、悪役が必要なのは分かる。 この映画が扱う戦争では、倒すべき相手は「どこかの国」でもテロ組織でもなく、暴走している原発だ。 そして原発そのものは敵

    映画『Fukushima 50』はなぜこんな「事実の加工」をしたのか?(中川 右介) @gendai_biz