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ブックマーク / uakira.hateblo.jp (148)

  • 100円ショップの常用活字(見本写真つき) - 日本語練習虫

    6月に見かけて以来気になってゐた、100円ショップ「キャンドゥ」の活字ハンコ。 バーゲン品の春夏物スーツば買ひ求めに中山ジャスコさ出かけたついでに、活字棚を整理してきた。 http://d.hatena.ne.jp/uakira/20090623 先日の記憶と違って、正しい名称は「合わせてネーム」で、「漢字を875種類、ご用意しております」との表示。「クチ高」「ハシゴ高」があり、また隣の面に「土吉」「士吉」もあるってのは、先日記した通り。 多品種で有名な「辺/邊/邉」はこの三種類だけだったんだども、前回は全く気づきもしなかった異体字に驚いた。 ↑「濱」の隣が0213の1-87-27ぢゃないところに注目。 最多異体字は「斉/斎」軍団。 棚の整理は四面中最初の一面で挫折したので、すべての字種を漏れなく調査したといふわけではない。 見写真に萌えちゃったそこのアナタ、大人買ひして全字種確認と出現

    100円ショップの常用活字(見本写真つき) - 日本語練習虫
  • バカボンフォントとロボコンフォント - 日本語練習虫

    先日「Mさんに唆されて振り返り中」と記してゐだったマンガタイポグラフィの話、2009年8月10日発売の『アイデア』336号(2009年9月号)に載りましたよ皆さん!!! idea ( アイデア ) 2009年 09月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2009/08/10メディア: 雑誌購入: 6人 クリック: 102回この商品を含むブログ (23件) を見るマンガタイポグラフィって題目から外れてっかもしゃねって観点と、手元にマトモな資料が残ってゐねがったっていふ理由で書けなかった話なんだども、古賀学さんが「バカボンフォント」「ロボコンフォント」を産んだ*11995年といふと、『アイデア』336号「「オタクのデザイン」探索会議」で、ばるぼらさんがとあるマンガをジャケ買ひしてしまはれたと仰ってる頃――、「カッコいいマンガがアリなんだ」といふか「マンガがカッコいい」といふ

    バカボンフォントとロボコンフォント - 日本語練習虫
  • 幻のMS明朝ver.3.00互換フォント - 日本語練習虫

    MS明朝ver.3.00といふ幻のフォントのことについて思ふところを記すため、「フォントの互換性」について、ちょっとだけ考へてみた。 まず、文字セットの互換性。 Windows独自の外字とか、Mac OS独自の外字とか、まぁ、さういふ文字があって、JIS X 0208の文字は相互運用可能だども外字領域には互換性が無い――といふことが、かつてあった。たぶん今でもある。また、実装水準三のフォントと四のフォントでは含まれる文字数が異なる――文字数の違ひならAJ4のフォントとAJ5のフォントなどと言ってもよい――といった話もあらう。 点画構成の互換性(といふ表現が適当かどうか)。 部分字体の「次」の最初の二画をどう表現するか――みたいなことに関する考へ方の一致・不一致の問題。JIS X 0208の文字セットとJIS X 0212の文字セットを実装するフォントだったモノが、JIS X 0208と02

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  • 「け」と読むケヶはこれ丈ヶぢゃないよ - 日本語練習虫

    先日来「こ」「か」「が」と読むケヶのことば尋ねてみてゐるGoogle先生さ、「け」のケヶば尋ねてみっぺと思って、「丈ケは(丈ヶは)」「丈ケの(丈ヶの)」「丈ケでも(丈ヶでも)」「丈ケなら(丈ヶなら)」などと検索してみたんだども、見事に撃沈されてしまった。ほとんど用例が無い。 「け」のケヶは、これ丈ヶぢゃないので、色々試してみっぺ。 … 「分ヶ」の場合、現代のギャル文字用例が多数ヒットする中に、歌麿の「咲分ヶ言葉の花」があったり、杉田玄白が「何とぞ此ターフルアナトミア、──中略──通詞等の手をからず、読分ヶたきものなり。」と語ったりと、近世のギャル文字とでも言ふべき用例が混ざってゐることに気づく。 「欠ヶ」の場合、「半田市欠ヶ下町」(かけがした)のような例がある一方で、何々「字欠ヶ」(あざ・かけ)の例が幾つもあることに気づく。 「駆ヶ」「駈ヶ」になると、「馬駆ヶ場」などの地名用例が見つかる。

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  • 濁点つきの漢字 - 日本語練習虫

    濁点つきカタカナ井の件に、T先生からメールを頂いた。己は濁点がつけばカナ(漢字に濁点はつかない)と思ってたんだども、近世日語文書では「高声゛」で「カウジャウ」と読ませる例などが珍しくない由。 すげえぜ日語!! 残念ながら、九州大学附属図書館「日古典籍画像データベース」の古活字版太平記で「頼員《よりかず》回忠《かへりちゆうの》事」の段にある 「日一《につぽんいち》の剛者《がうのもの》、謀叛に与《くみ》し自害《じがい》する有様見置《おい》て人に語れ。」と高声《かうじやう》に呼《よばはつ》て、太刀の鋒《きつさき》を口に呀《くはへ》て、櫓より倒《さかさま》に飛落《とびおち》て、貫《つらぬかれ》てこそ死《し》にけれ。 のあたりを眺めても、濁点つき「声」の活字ではない模様。ふりがなにも濁点は無い。 http://mars.lib.kyushu-u.ac.jp/rare/taiheiki/01_

    濁点つきの漢字 - 日本語練習虫
  • 小書きのヒと濁点つきカタカナ井 - 日本語練習虫

    安岡センセイがスラドに小書きヒの件を記しておいでなんだども。 http://slashdot.jp/~yasuoka/journal/481747 スラドのログインユーザでないとコメントが書けない仕様になってるんで、自分の日記さ書いておく。 1908年春陽堂版の夏目漱石『野分』463頁にある「フヒジアス式」の「ヒ」が文五号に対して七号格だって話なんだども、462頁にある「濁点つきカタカナ井」のことが激しく気になって仕方がない己。 http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=41021650&VOL_NUM=00000&KOMA=237&ITYPE=0 変体仮名を符号化しない/できない理由に草書漢字との区別が困難といふ説があったかと思ふんだども、濁点がつき得るのは仮名ってことでいいんぢゃないの? といふのは浅はかですか? 濁点や半濁点を基準に

    小書きのヒと濁点つきカタカナ井 - 日本語練習虫
  • 今井直一「活字書体と読み易さ」の時代背景 - 日本語練習虫

    和文活字の可読性について、昭和十八年の『印刷雑誌』に、今井直一が「活字書体と読み易さ」と題する記事を残してゐる*1。これは、昭和二十四年に出された今井の単行『書物と活字』第五章「和文活字の読みやすさ」の基になったもの。 Readability(可読性・読みやすさ)、Legibility(判別性・見わけやすさ)といった概念は、当時の欧文活字かぶれによって邦の活字界にもたらされたモノの見方なんだども*2、当時はスノビズムに留まらない実際的な必要性があり、今井は「活字書体と読み易さ」を次の文句で書き始めてゐる。 近年視力保健に対する一般の関心が昴り昂り、近視予防の方法として、書籍雑誌に関して改善の諸方策が講ぜられつゝある。 今井の記事は『『印刷雑誌』とその時代―実況・印刷の近現代史』(asin:4870851911)にも収録されてゐるんだども、印刷図書館国会図書館の双方で昭和十年代の『印刷

    今井直一「活字書体と読み易さ」の時代背景 - 日本語練習虫
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2009/07/12
    「「読みやすさ」は活字書体だけの問題ぢゃないといふ前提」
  • Type、書体、Style、書風、Taste - 日本語練習虫

    先日の書体と書風の件、続き。 FeZnさんの「リュウミンとヒラギノの哲学を垣間見る」における、リュウミンUがLからHまでのウエイトのTypefaceと違ふ「印象」であることを語るための言葉。 下記リョービ明朝において、LとMで打ち込みの初めの箇所やハネの末尾などの処理に共通点があり、BとXBで同じ部分の処理が互いに共通するものの、L・M組とB・XB組とでは違ふ「印象」であることを語るための言葉。 またMにおいてはハネの角度や最終右払いの起筆の位置などが、他のウエイトとは全く異なる個性を持ってゐることを語るための言葉。 さういったことを語る言葉として、己はやはり「書風」が相応しいといふ気がするんだども、「Typeface」とも「Family」ともイコールでは無さげなこの「書風」といふ言葉。 この難儀な「書体」「書風」の語については、古賀弘幸さんが『プラスデザイニング』の「文字。」特集号(2

    Type、書体、Style、書風、Taste - 日本語練習虫
  • 狭義の書体(タイプフェイス)の訳語 - 日本語練習中

    トナンさんが「リュウミンやヒラギノ明朝の違いは「書体」の違いではない」と書かれた記事に対する感想としてしろもじさんが書かれた「印刷文字における書体・字体・字形」といふ記事を見てゐて。 以前「公有フォントの利用と制作のための参考情報」を調べてみた時に、ああ、その「字型」っていふ「Typeface」の訳語、「じかた」って訓むことにすれば日語でも通用するんぢゃね? 感じたことば思ひだした。 このTypefaceといふヤツ、事後的に「広義の書体」と呼ばれ得る「○○○科」を一気に切り開く場合があり、しかも類似Typefaceが現れない段階では一概に広義(「○○○科」)狭義(「○○○属」)と言へないところが厄介だ――例へば、フォロワーの出現によって現在では「ミックスタイプ」といふ「書体」分類(「○○○科」)を生んだリョービ「ナウ」シリーズのデビューを想起――。 まぁ、斬新なTypefaceが登場した

    狭義の書体(タイプフェイス)の訳語 - 日本語練習中
  • キャラクターのコード化 - 日本語練習虫

    文字コードって何だらう。文字コードってやつが扱ってる「文字」ってモノに色々と性格が異なる「キャラクター(文字)」が混ざって集まってるおかげで、ある「キャラクター」については正しい説明であるように見えることが、他の「キャラクター」には当てはまらない、といふことが往々にして存在する。 さて、改めて、「文字コード」って何だらう。 Letter、Number、Mark、Ideograph、Symbolなど、様々な「キャラクター」を一堂に会して大きな「キャラクター」の集合をつくり、各々の差異を記述し番号と名前をつける。場合によっては一定の規則の元に、ある特徴を共有するキャラクター群にチームとしての名をつけることもある。何のためにそんな「キャラクターの集合」をつくって番号を振るか? 現代人の日常生活に必要な情報交換を円滑に行ふために。 ――ざっくり言ふと、さうして集められ名づけられ番号づけられたキャラ

    キャラクターのコード化 - 日本語練習虫
  • ケヶ指針が目指したもの - 日本語練習虫

    大きなケなのか小さなヶなのか判別に迷ふものがある。文字の専門家であるとは限らない、入力ボランティア、校正ボランティアにとって、できるだけ簡単な判別方法は無いものか。 己の記憶が確かならば、そこが“ケヶ指針”の出発点であり目的地で、「ケヶ个の活字見」に類する見た目で大きさを判定する手がかりが無いといふ状況下で、「こ・か・がと読む」と判断がつけば「ヶ」だとする「区点番号5-17と5-86の使い分け指針」が誕生した。ケヶの使ひ分けと無縁な底に対してとても有効に機能する解決策であり、己の記憶が確かならば、議論の過程で当時は己もこの指針を支持してゐる。 一方でこの指針は、先日「ケヶ个の何だらう」に記した通り、ケヶの使ひ分けが為されてゐるテキストに対して無力であること――無力でないとしても複雑かつ奇妙な注記を要すること*1――や、「「BBQのウマさマズさ」問題」に類する奔放なテキストにも対処できな

    ケヶ指針が目指したもの - 日本語練習虫
  • 100円ショップの常用活字 - 日本語練習虫

    野郎ッコの運動を買ひ求めに出かけたジャスコ中山店のスポーツショップ。連れのトイレ待ちで隣接する100円ショップ「キャンドゥ」に入って驚いた。 1文字単位の漢字ハンコ――たしか「合わせてポン」とかいふ名称だった――があったんだども、活字棚(縦長直方体の横四面にハンコがたくさん刺さってて棚全体が回転するるタイプのもの)の天板附近に「975種類の漢字がある」てなことが書いてあるんだども、ふと眼に入った確か漢字番号1100番台のあたりに、「クチ高」「ハシゴ高」があり、また隣の面に「土吉」「士吉」もある。 トイレ待ちが終ったんで「辻」の之繞が区別されてるかどうかとか「辺邊邉」は何種類かとか「鷹」はあるかどうかなど他に気になる部分は確認できなかった。 残念ながらキャンドゥ仙台店や仙台一番町店では当該商品が見当たらなかったので、全ての店舗で扱はれてゐるものではないらしい。 教育漢字より少ない字種の選定

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  • ケヶ个の活字見本 - 日本語練習虫

    先日の記事「ケヶ个の何だらう」さ頂いたbakocutei_pontaさんのブクマコメントに、かうあった。 困った事にケとヶの中間ぐらいの大きさのがあって迷う事があります。そういう時に限ってカタカナでばっちり使われている時のケが同じ文中になかったりして。どうしたらいいの! 己も気持ちは判ります。昔の活字になればなるほど、カタカナの字面が小さいですもんね。 で、以前から、「ケヶ个の活字見」といふのを作らうと思ってました。 国会図書館所蔵、印刷局活版部『活字紋様見』(明治18年)より 国会図書館所蔵、東京築地活版製造所『活版見』(明治36年)より 印刷図書館所蔵、秀英舎『活版見』(明治36年)より 精興社「邦文モノタイプ文字表」(青梅市教育委員会『活版印刷技術調査報告書』所収)より 大正期から昭和初期にかけての、大日印刷さんとか凸版印刷さんとかイワタさんとかモトヤさんとか日活字さん

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  • 「BBQのウマさマズさ」問題 - 日本語練習虫

    これは引っ掛け問題に見えて難しい問題を含む奇妙な問題なんだども。 まずは下の画像をご覧いただきたい。 たぶん、日語を理解する中学生以上のほとんど全ての方が、「ばーべきゅーのうまさまずさ」と読まれるんぢゃないかと思ふ。画像を作った己も、さう読まれることを期待して、文字を並べてゐる。 上記画像を「底に忠実」を第一原則として「JIS X 0208」で「プレーンテキスト」にする場合――つまり青空文庫方式で電子テキストを作成する場合――、「BBQのウマさマズさ」と入力するだらう。「0201」と併用してよいなら「BBQのウマさマズさ」。書体の情報は捨象されるし、捨象してよいし、捨象されるべきである。 ところで上記画像の作成に際して己が実際に並べた文字は、コプト文字B、リシア文字B、グルジア文字ON、平仮名の、片仮名ウ、片仮名マ、平仮名さ、片仮名マ、片仮名ズ、平仮名さ――である。コプト文字B、リシア

    「BBQのウマさマズさ」問題 - 日本語練習虫
  • ケヶ个の何だらう - 日本語練習虫

    先日「芝野先生講演会「電子翻刻における「読み」と「見たまま」開催」の記事さ転記した、青空文庫が抱える“ケヶ問題”の件についてziomさんの日記「漢字探し」で対面した方々の参考に、余計なお世話と思いつつ。 次の例文をご覧ください。 住居表示が「霞が関」であるところの官庁街にある地下鉄の駅は、看板の表記が「霞ヶ関」と小書き片仮名ケ(KATAKANA LETRER SMALL KE)である「ヶ」で記されていて、その駅の券売機で特別急行券を買うと「霞ケ関→成城学園前」といった片仮名ケ(KATAKANA LETTER KE)である「ケ」で印刷される。 かうした例文に関して、《「こ・か・が」と読む「ケ(ヶ)」の形をした文字は全て「ヶ」に統一する》といふのが、「JIS漢字コードが符号化しているのは、社会に通用してきた「文字」である。その中で「ケ」のような形をしたものには、「け」と読む片仮名と、「こ」「か

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  • 「舟走」於『大日本古文書幕末外国関係文書之九』 - 日本語練習虫

    昨晩記した「舟偏に走」の記事へのkarpaさんのブクマコメントを拝読し、引用文中の漢字なのだから引用元を確認すべきであったことを猛省。 徳永直は『光をかかぐる人々』の「開港をめぐって」第四節さ、かう記してゐる。 安政元年十一月以來、つまり下田談判の中途から、彼はロシヤ人と共に伊豆の戸田村にゐたことが、「古文書幕末外交關係書卷ノ八」の記録によつてわかる。「昨十四日豆州戸田村到着仕候處――魯西亞使節私共着之趣承り急き面會仕度段、通詞木昌造を以て申越候に付、直に使節罷在候寶泉寺へ御普請[#底は「普譜」]役御小人目付等引連れ罷越及面會――」云々。これは翌年二月十五日付で、ロシヤ應接係の一人、勘定組頭中村爲彌から川路宛の上申書の一節であるが、ロシヤ人たちは戸田村海岸で船をつくつてゐたのである。 確かに安政元年の記事は東京帝国大学文科大学史料編纂掛編『大日古文書 幕末外国関係文書之八』に纏められ

    「舟走」於『大日本古文書幕末外国関係文書之九』 - 日本語練習虫
  • 徳永直・中野重治と三谷幸吉「再版原稿」 - 日本語練習虫

    先日「 『印刷雑誌』の『光をかかぐる人々』評と評者「N」について」の記事中で、片塩二朗『活字に憑かれた男たち』(asin:4947613483)が複数の証言として《三谷幸吉の『木昌造・平野富二詳伝』再版原稿を中野重治が徳永直から受け取った》と書いてゐるって話と、池澤夏樹『読書癖』(asin:4622045419)によると、旧丸岡町の図書館にある中野重治記念文庫に、中野が93箇所もの書き込みをした河出版『光をかかぐる人々』があるといふ話を記した己なんだども。 東北大学付属図書館から借り出してきた中野重治全集第24巻に収録されてゐる「小品十三件」中の「徳永直選集の件」(初出:『文藝』1969年1月号「徳永直選集のこと――小品十三件 一――」)に、かういふ記述があった。 そのころ私は徳永の近くに住んでいた。「光を……」を書くについて何彼《なにか》と意見を求められたこともある。が出来ると彼は訂

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  • 『印刷雑誌』の『光をかかぐる人々』評と評者「N」について - 日本語練習虫

    先日「徳永直『「印刷文化」について』について」の記事中で後日記すと予告した、『印刷雑誌』の『光をかかぐる人々』評と評者「N」について。 この『印刷雑誌』の『光をかかぐる人々』評は、浦西和彦編『人物書誌大系 徳永直』(asin:4816901302)にも、またそれを補ふ浦西和彦「拙編『徳永 直<人物書誌大系I>』補遺」(熊近代文学研究会編『方位』第五号)にも拾はれなかった同時代(昭和18年)の『光をかかぐる人々』評なんだども。 この時期の『印刷雑誌』を編集してゐた馬渡力は自身が取材協力者ともなってをり、また徳永に寄稿を要請した『「印刷文化」について』といふ文章も『印刷雑誌』上に存在することから、書評なり紹介記事なりが載らなかった筈は無からうと己は考へ、バックナンバーを確認する機会を窺ってゐた。 漸く印刷図書館で拝読する機会を得た昭和18年12月の『印刷雑誌』26巻11号に、『日の活字「光

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  • 昭和30年頃の少年漫画誌アンチゴチ化について - 日本語練習虫

    誠文堂新光社『アイデア』誌に連載され後に『組版/タイポグラフィの廻廊』(asin:4834400980)に収録された、府川充男さんと小宮山博史さん、日下潤一さんの鼎談「仮名と書体を見る眼」の中で、進行役(たぶん編集部の中の人)からマンガのアンチゴチについて話を振られた府川さんが、かうした話をされてゐた(『タイポグラフィの廻廊』154-156頁)。 漫画の吹出しの今のスタイルは、『少年マガジン』と『少年サンデー』を大日印刷が印刷していたのが大きな要因になって定着したんだと思いますね。ゴシック+アンチックはたぶん大日のハウス・スタイルだったんですよ。漫画の吹き出しのネームは、昔は色んな種類があって、和文タイプの清刷をそのまま切って貼ったりしているものが多かった。吹き出し全部が教科書体で組まれていた漫画もあったし、多様だったんです。写植は意外と少なかった。それが漫画週刊誌が登場してくると、大

    昭和30年頃の少年漫画誌アンチゴチ化について - 日本語練習虫
  • 徳永直『「印刷文化」について』について - 日本語練習虫

    旧正月に始めた徳永直『光をかかぐる人々』の青空文庫テキスト化作業は、河出書房初版(昭和18年発行)に基づく入力作業を終るところまで辿りついた。近々、京都府立図書館所蔵の第二版(昭和19年発行)に添えられてゐる正誤表のデータを反映させて、一段落とするつもり。 さて、今まで「はてな」には記して来ねがったんだども、己はこの2月中旬に、徳永直『光をかかぐる人々』にはこれまで「印刷史家」が気づいてゐなかった続編が発表されてゐたといふことを、浦西和彦編『人物書誌大系 徳永直』(asin:4816901302)の書誌情報によって知った。 河出版の末尾に「じつは最初のうち一卷のつもりが、半分ゆかないうちに一册になつてしまつたので、豫期せぬ一册がこのあとへ續かねばならぬ次第となつた。」と徳永が記してゐる続編が、昭和24年、日電報通信社世界文化社『世界文化』に6回にわたって連載されてゐたのだ。己は、東北大学

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