筑摩書房より刊行となった『しぐさで読む美術史』を読んでみました。 『しぐさで読む美術史』 (ちくま文庫) 宮下規久朗(著) 以前こちらでも紹介した、『モチーフで読む美術史』2013年、『モチーフで読む美術史2』2015年、そしてこの『しぐさで読む美術史』の「あとがき」にはそれぞれ宮下先生の亡きお嬢さんへの一句が載せられています。 大学卒業を目前に控えた愛娘・麻耶さんが不治の病におかされ天に召されてしまった宮下先生。あれだけ明るく人一倍精力的に美術に対する熱い情熱を注いできた方が、一時は筆を折ろうかとまで思われたのもご無理はありません。 しばらくこちらかから連絡を取ることは控え、宮下先生の復活を切に願っていました。昨年の「グエルチーノ展」での音声ガイドで久々にその声を聞き、涙が自然とあふれてきたものです。(その後、やはり「グエルチーノ展」の講演会でお会いした際もまた同じく。) 「絶望」 「不