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ブックマーク / www.nakahara-lab.net (23)

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 先行研究をまとめる5つのプロセス、陥りやすい3つの罠

    中原淳(東京大学・准教授)のブログです。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 このところ、某書籍の編集を合間を見つけてやっています。この、中原研の大学院生との共同研究をまとめた専門書で「職場学習の探求」(生産性出版)といいます。おそらく春までには書店にならぶものと思われます。 嗚呼、「これでもか、これでもか、ひぇー、もうカンニンしておくれやす」的に送付されてくる原稿(?)をしこしこ読んでいて、きちんと、大学院生に指導をしていなかったな、と反省したことがあります。ごめんよ、みんな。 それは「先行研究のまとめ方」ですね。原稿の中には、あきらかに僕の指導不足だったものが含まれていました。ついつい、うっかりしてたよ。うっかりはちべえ、最近、見ないね(笑)。 以下、それについて書きます。「偉そうに、オマエさんが言うんじゃない

  • 優れた専門家を「いかに育成」すればいいのか!? : ドナルド・ショーン(著)、柳沢昌一・村田晶子(監訳)新刊「省察的実践者の教育」のご紹介! | 立教大学 経営学部 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する | NAKAHARA-LAB.net

    優れた専門家を「いかに育成」すればいいのか!? : ドナルド・ショーン(著)、柳沢昌一・村田晶子(監訳)新刊「省察的実践者の教育」のご紹介! 「ドナルド・ショーン」といえば、僕の研究領域でいえば、「その名前と業績を知らないことでいることを許されぬ著名研究者」です。 博士論文でジョン・デューイの研究を手がけ、マサチューセッツ工科大学で、クリス・アージリスらとともに「組織学習」の研究に従事し、のちには「専門家とはどのような存在か」という仮説のもとに「省察的実践家(Reflective Practitioner)」という概念を提出しました。 専門家とは「技術的合理性にもとづいて、原理・原則を現場に適用する存在」ではなく、むしろ「現場の状況変化に応じて、そのつどそのつど、リフレクティブに意志決定を行い、行為を決めていく存在」であることを主張しました。 この「専門家像の転換」は、のちの人文社会科学の

    優れた専門家を「いかに育成」すればいいのか!? : ドナルド・ショーン(著)、柳沢昌一・村田晶子(監訳)新刊「省察的実践者の教育」のご紹介! | 立教大学 経営学部 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する | NAKAHARA-LAB.net
  • 「働き方の柔軟化」と「働く側の強い意志」!? : 「みんな一緒で、みんな同じ」からの脱却はいかにして可能か? | 立教大学 経営学部 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する | NAKAHARA-LAB.net

    「働き方の柔軟化」と「働く側の強い意志」!? : 「みんな一緒で、みんな同じ」からの脱却はいかにして可能か? 先だっては、都内某所で開催された「生産性向上×長時間労働是正」施策の発表会にお邪魔して参りました(ご招待いただいたNさん、お世話になりました)。 長時間労働を是正し、生産性を高める これは現在、多くの会社で取り組まれていることであり、かつ、働き手が少なくなっていく我が国において、一丁目一番地の課題であることは言うまでもないでしょう。 先だっての取り組みは、各企業が、この課題に取り組み、その成果を発表し合う会でした。 多くの研究が既に明らかにしているとおり、我が国は、長時間労働の是正に関しては、「失敗を繰り返してきた歴史」があります。 たとえば、「土曜日の休日化」にいたっては、たしかに土曜日は、休日にはなりましたが、その分の労働時間は「平日に動いた」だけです。 かくして、「土曜日の休

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  • 東京大学より、英語学習・無料オンラインコース「English Academia」がリリース!どなたでも学べます! | 立教大学 経営学部 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する | NAKAHARA-LAB.net

    東京大学より、英語学習・無料オンラインコース「English Academia」がリリース!どなたでも学べます! 東京大学から、また新しい英語学習・無料オンラインコースがリリースされました。 名づけて、 「English Academia」(イングリッシュ・アカデミア) https://utokyo-ea.com/ です(パチパチパチ!)。 このコースは、どなたでもご利用いただけ(学生であってもなくても、社会人であろうと、誰であろうとOK!)、スマホからでも、PCからでも学ぶことができます。 イングリッシュ・アカデミアは、これから研究ライフをはじめる、学部生、大学院生向けに開発された、初心者向けのアカデミックコミュニケーションのサイトです。どうぞふるってご利用下さいませ。どうぞよろしく御願いいたします。 ▼ いまさら「アタリマエダのクラッカー」ですが、グローバル化が進行しています。そんなな

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  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 言葉とは「日常習慣」である!? : 「GWボケ」から「子どもの言語発達」まで

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 言葉とは「日常習慣」です。 見事なGWボケというやつで、ここ1週間何も文章を打っていなかった僕は、ほれ、このとおり、うまく言葉がでてこず、「言葉とは日常習慣である」というこの書き出しをつづるまでに、26分もかかってしまった(笑) あれ、文章の最初って、「何」から書くんだっけ? で、26分(笑)。 習慣を壊してしまうと、毎日書いていたブログも、書き出しすら、こうなります(泣)。 これに、ゆるく関連してーいや、当は少しもゆるく関係していないけど、敢えて無視して・・・ 言葉とは「日常習慣」である 思考とは「日常習慣」である とは僕の強く信じている持論でもあります。 で、今日は、この持論を形成するのに影響を与えた研究を紹

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: アクティブラーニングやワークショップは「自由闊達な学びの場」ではない!?

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 最近、僕が密かに細々と興味をもっていることのひとつに 「アクティブラーニング」と「権力」 という問題があります。「アクティブラーニング」の部分を「ワークショップ」という言葉に代えても、そのことはあてはまると思います。この話題は、あまりにもマニアック過ぎるし誰にとっても1銭の得にもならないので、口にださないことのひとつでもあります(笑)。 いうまでもなく、昨今の人材開発 / 学習業界では、アクティブラーニングやワークショップといったような「人々の相互作用の中から知識や知恵を生み出そうとする場や働きかけ」に対して、人々の興味関心が増しています。 そうした言説空間では、こうした「新しい学習」の重要性を説得するため、ともす

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 大学の今、学生のリアル、アカデミック情報を入手してみませんか?:東京大学新聞社への応援をお願いいたします!

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 今日は、皆様にお願いがございます。 いやー、朝っぱらから、まことに恐縮至極です(冷汗)。 実は、、、大学生が編集部員となり、大学や学術の情報を「新聞」として公刊する「大学新聞社」が、今、経営的に「重大な岐路」に立っています。 私が評議員をつとめている、「公益財団法人・東京大学新聞社」(非営利・学生新聞団体 / 林香里理事長 東京大学大学院教授)も、その例外ではなく、どうか、みなさまの応援をいただけないか、ということです。 具体的には、既存の紙メディアのクオリティアップとともに、デジタル事業を強化しつつある東京大学新聞社のTwitterや、Facebookページへの「いいね・シェア・RT・フォロー」等等などの拡散に御

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 先行研究をまとめる5つのプロセス、陥りやすい3つの罠

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 このところ、某書籍の編集を合間を見つけてやっています。この、中原研の大学院生との共同研究をまとめた専門書で「職場学習の探求」(生産性出版)といいます。おそらく春までには書店にならぶものと思われます。 嗚呼、「これでもか、これでもか、ひぇー、もうカンニンしておくれやす」的に送付されてくる原稿(?)をしこしこ読んでいて、きちんと、大学院生に指導をしていなかったな、と反省したことがあります。ごめんよ、みんな。 それは「先行研究のまとめ方」ですね。原稿の中には、あきらかに僕の指導不足だったものが含まれていました。ついつい、うっかりしてたよ。うっかりはちべえ、最近、見ないね(笑)。 以下、それについて書きます。「偉そうに、

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: "考えるということを本気でさせた人"が一番えらい!?:「優劣のかなたに - 遺された60のことば」(苅谷夏子さん著)を読んだ!

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 戦後を代表する国語教員のひとりである「大村はま」さんの珠玉の言葉をあつめ、解釈した著書「優劣のかなたに - 遺された60のことば」(苅谷夏子さん著)を読みました。 扱われている内容は「学校教育現場」のお話 - 子ども論・授業論・教師論 - が多いですが、「人間の成長」「人間の学び」に関して深い洞察がなされており、これらの事柄に関心をもつ方であったら、たとえ「学校教育」に直接携われていなくても、愉しく読むことができると思います。 大村はまさんは、「二度と同じ単元授業」をしないことを自らに課していた希代の国語教員であり、つねに自らに厳しい「授業研究」を課していました。特に、国語の教員らしく、言葉を大切にした方でした。

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: パネルディスカッションの5つのトホホ文法 : 尻切れトンボ、みんな違ってみんないい、オレオレ質疑、過剰プロレス、リン

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 パネルディスカッションって、そもそも「何」ですか? 皆さん、パネルディスカッションって、「面白い」ですか? ▼ 最近よく思うことに、「パネルディスカッションって、そもそも、何だろう?」ってのがあります。 別の言葉でいえば、「何があれば、パネルディスカッションなのか?」「何を失えば、パネルディスカッションではなくなってしまうのか?」これがさっぱりわからなくなっているのです。 これに関連する問いは、実は、以前にも持ったことがあって、過去に僕はこんなことを言っています。 パネルディスカッション http://www.nakahara-lab.net/blog/2008/05/post_1223.html 上記の4年前のブ

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 学会とは何か?、その存在意義とは何か? : 学会員の減少がはじまっている!?

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、あるところで、「一部の学会では、学会員の減少に歯止めがきかない」というお話しを伺いました。小さな学会の話ではありません。具体名を出すことは差し控えますが、由緒ある伝統的な学会で、その領域の研究者ならば、誰もが知っているような学会のお話です。しかも、それが個別の学会だけの話じゃない。ひとつの学会が「つまらなくなって」、人がいなくなっているのではなく、いくつもの巨大学会から、学会員が減少する現象が現れているのだそうです。 僕の専門領域では、たぶん、そのような現象がまだ現れていません。むしろ、学会員は大幅増加傾向ですので、少し驚きました。 「学会員減少」が止まらない領域の関係者にとっては、「今さら、何をいってんだか

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 国立民族学博物館「ウメサオタダオ展」に行ってきた!

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 大阪・万博公園・国立民族学博物館(みんぱく)で開催されている「ウメサオタダオ展」に、家族で出かけた。 梅棹忠夫先生といえば、希代の人類学者にして、比較文明論、文明生態学を縦横無尽に論じた「知の巨人」。彼によれば、人類学の質とは、下記のようなものになる。 ■人類学者は、つねに世界の各地におもむき、人間現象の様々なヴァラエティを探し出して、それを極めて実証的な方法で研究し、記述する。そして、それを、他の人間研究家たちの学説のまえに差し出してみせる。人類学というものは、人類学以外の、人間に関する諸科学にとって、まことにイヤな存在であるかもしれない。どのような分野であれ、社会科学者、人文科学者たちが、自分たちの身の回りの

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 論文が読まれなくなっている!?・・・研究のカプセル化

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、某所にて、人文社会科学から自然科学まで、いろいろな学問分野の先生たちが集まる機会があった。「僕以外」は、その領域で素晴らしい成果をあげている研究者の方ばかりで、第一線を走っておられる方ばかりだった。 会合の休み時間、ランチべながら、ふとしたことから、みんなの話題になったことが、これである。 「最近、論文がだんだんと読まれなくなってきているよね。」 誰かがふともらした、この一言に、異領域の先生方が、皆、一様に「うんうん、そうだよなー」とうなづいたのは、とてもびっくりした。ひとつの領域に固有に存在する問題ではなくて、みんなの問題なのかもしれないな、と直感的に感じた。 ▼ 繰り返して言うが、彼らはそれぞれの分野

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: クリス・アンダーソン著「フリー」を読んだ!:出版は今後どうなるのか?

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 話題の書籍、WIRED編集長クリス・アンダーソンが著した「FREE」を読んだ。クリス・アンダーソンは5年ほど前、「ロングテール」というコンセプトを世に送り出したジャーナリスト。今度は「フリー」あるいは「フリーミアム」というコンセプトをひっさげての凱旋である。 このではフリーの歴史から、最新のITビジネスモデルまで様々なことが述べられている。その主張は多岐にわたるが、枝葉を落とし、おおざっぱに、かつ大胆に、僕の言葉でまとめると下記のようになる。 --- 1.ITテクノロジー(サーバの能力、ストレージの容量など)の限界費用は、限りなくゼロに近づいている 2.1を背景にして、デジタルのものは、たとえばデジタルコンテンツ

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: オーディエンスの終焉、パティシパントの誕生 : 聞く、考える、つぶやく、つながる時代

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 「何を、今更ジロー」とおっしゃる方が多いかと思いますが(古い・・・死語)、Twitter(ツイッター)というコミュニケーションツールが、少なくとも僕のまわりでは、使う人が増えてきました。 Twitter(ツイッター)とは、僕のイメージをいうと、「チャットのようなブログ」です。140文字という制限された文字数の中で自分の「つぶやき」を書き、それに多くの人々がコメントをしてくるイメージです。 マーケティングの分野では、新たなマーケティングツールとしても認知されていて、鼻息の荒いビジネスマンたちが、フンフンいって、それに注目しております。「Twitter マーケティング」などでぐぐってみてください。様々な試み、サイトがで

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 教育を語ること

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 ずっと昔の話になりますが、確か、NHKで、作家の村上龍さんが司会になり、「日教育の将来やあり方」について、教育学者、教育評論家をたくさん招いて、議論するという番組があったと記憶しています。 番組のあいだ中、様々な教育学者、教育評論家が 「日教育とは○○べきだ」 「日教育現場は~なべきだ」 「日の教師は~であるべきだ」 という当為(べき論)を闘わせていました。ロジカルに、かつ、雄弁に、それぞれの立場から、「日教育は~すべき」を闘わせていました。 それはそれで面白かったのですけれども、この番組の「最高の瞬間」は、一番最後に仕組まれていました。 村上龍さんが、一番最後にこういう問いかけをしたのですね。

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 時間、空間、身体、言葉

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、ある先生と、とりとめもなく、こんな話をした。 子どもの学びは「空間」により分節化されるところが大きい。 砂遊びをするときは「お砂場」へ。絵を描くときには、「図工室」で。身体を動かすときには「体育館」へ。「活動」にとって「最適な空間を選ぶ」という発想が、どこかにある。 「時間」が全く意識されないというわけではないけれど、それが分節化に果たす役割は、それほど大きなものではない。時間は、ゆるやかに流れていく。 しかし、年をへるにしたがって、「空間」よりもむしろ「時間」が気にされるようになる。 誰もが「時計」を気にし始める。「空間」により学びを分節化することは少なくなる。何をしようが、基的には「教室」でいいよね、と

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: えっ、、、まさか、自分で靴も履けるの!?

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 昨日、保育園で、考えさせられる出来事があった。 保育園の先生が、「TAKUZO君は、今日、下を自分ではけましたよ」と教えてくれたのである。 「たかが下」と思うかもしれないけれど、僕は、びっくりしてしまって、思わず、「うそー」と声に出してしまった。 なぜなら、僕は「下よりも難易度の低いすら、TAKUZOは、自分ではくことはできない」と思っていたからである。 「保育園では、下はけるんですか? まさか、とかも、自分ではいてますか?」 保育園の先生に、おそるおそる聞いてみる。 「はい。手助けはたまに必要ですが、自分でやりますね」 二度目の衝撃。 「事とかはどうですか? 家では、途中で飽きて、自分でべないので

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 創造、制約、コミュニケーション

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、ある人がこんな話をしていた。 ▼ 現代アートは、わたしたちの、日常のものの見方に"裂け目"をつくります。私たちが、ふだん、"ものを見ている見方"がアタリマエのことではなかったのかもしれない、という"裂け目"をつくるんです。 で、最近は、固定化したメディアをつくって、展覧会にもってくる、といったことをしない場合が増えています。つまり、作品が会場でつくられ、インスタレーションとして展示されるのです。 展覧会場に入って、その場で、キュレーターと一緒にアーティストが作品をつくる、というようなかたちが、8割から9割になってきているのですね。 中には、身体を動かして踊るような、いわゆる「パフォーマンス」が作品になっている

  • NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 学会に、人が集まらなくなっている!?

    中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 最近、はからずも同時期に(こういうのをシンクロニシティというんだろうか)、複数人の研究者から「学会」に関する話を聞いた。 「なんか最近、学会って、何処に行っても、人が以前よりも集まらなくなってきていませんか? ジャーナルへの投稿数はあんまり変わらず横ばいです。でも、学会に人が集まらなくなってきているのです・・・これは、どうしてなんでしょうか」 「○○学ってあるじゃないですか。なんか、この最近、こういう学問領域の"くくり"が怪しくなってきていませんか。だって、○○学って言ったって、研究者によって、研究しているものも違うし、方法論も違うんですよ。○○学という"ひとつのくくり"でまとめられなくなってきているような気がする