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ブックマーク / amendo.exblog.jp (17)

  • マンガ賀川豊彦『死線を越えて』 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    教会の牧師からあるを紹介されました。今月初めの発行。 劇画『死線を超えて』--賀川豊彦がめざした愛と協同の社会(発行:家の光協会 1,143+税) 賀川の働きを概観 これはとってもいいです! マンガですから容易に読めてしまいます。賀川が、社会運動、労働運動、社会福祉で、いかに大きな貢献をしたかを、彼の人生を追ってたどることができます。 中学生、高校生などにもぴったり。私もやっと彼の働きの概要を知ることができました。図書館に行って膨大な資料(全集)を読まなくても、このでかなり理解できると思われます。 国家が近代化を進めていくなかで、農業、漁業などの一次産業で大半を占めていた国民のなかから、大量の工場労働者、肉体労働者が生まれます。彼らはなんの生活保障もないために、病気になったり、工場でけがしたり、景気が変化したりすると、簡単に職を失うことが多かったようです。農村での貧困、とくに小作人の生

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  • 賀川豊彦は戦後なぜ忘れられたのか(4) | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    賀川豊彦について学んできましたが、今回でシリーズの最後になるかもしれません。 賀川の国民的影響力---戦後、首相になっていたかもしれない 季刊雑誌『at』にある倉橋正直氏(元愛知県立大学教授)の記事が、この点に触れています。このことは、私もかつて耳にしたことはありましたが、ほんとだったのですね。 戦後アメリカは、左翼以外のリーダーで誰を国のトップにしたらよいか探していたそうです。韓国では李承晩が有名ですが、これはアメリカが大統領の地位に据えたらしいです。そいう意味で、賀川豊彦は、左翼でもなく、国民的人気もあり、アメリカでも知られていてよいことづくめ。しかし、そうはならなかった。 その原因は、1940年8月、反戦を訴えたという疑義で憲兵隊の取り調べを受けたのですが、それ以降の賀川の行動にも一因がありそうです。彼は憲兵隊から尋問を受けるものの、結果的に、戦争に協力するかたちを取ることを選び、解

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  • 賀川豊彦は戦後なぜ忘れられたのか(1) | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    大きな書店に行くと、おもわぬとの出会いがあります。今回はあまり見たことない雑誌。季刊『at』を手にしました。珍しく、賀川豊彦の特集が組まれていました。 かなり重要な人に違いないのに、キリスト教会で彼の名前を聞かないのはなぜか、前から不思議に思っていました。 そこで、おもに山折哲雄(宗教学者)、栗林輝夫(キリスト教神学者)、加山久夫(学者)の各氏の論評から、私なりにかいつまんで自分のためにまとめてみます。厳密には、雑誌をご覧ください。私なりなの理解です。 20世紀三大聖人の一人 賀川豊彦(以下、賀川)は、戦前、日人のなかで昭和天皇以外では、最も国際的に有名だったそうです。シュバイツアー、ガンジーにならぶ、「20世紀三大聖人」とも呼ばれたこともあるというからすごい。それにしては現在、ほとんど無視されているように思えます。 はっきりしにくいイメージ キリスト教の伝道者であり、社会活動家であ

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  • 身体を整える「自彊術」って知ってますか | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    1週間ほど前に親しい友人から、「いま健康のために自彊術(じきょうじゅつ)を毎日しているんだけど、クレオパさんもやったら? 80歳をすぎた母から紹介されたんだよ」とすすめられて、さっそく実行しています。 ようは決められた順に従って身体を動かすラジオ体操のようなもので、誰でもできます。ビデオも借りたので、実行はそれほど難しくありませんでした。疑問点は、写真と解説付きの『自彊術で若返る』(自彊術普及会監修 ベースボールマガジン社、体1524円)を開いて確認します。 かつて大流行した体操 大正末期に全国で大流行したのですが、ラジオ体操の普及で、いっきに下火になったのだとか。中井房五郎という天才マッサージ師が発明しました。彼のもとには医者に見離された多くの難病者が訪れ、元気を回復していったのだそうです。 最近は、教育テレビで放映したりで、高齢者のなかで実行している人が増えているそうです。 半信半疑

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  • 宗教改革が市民に与えた影響「グレゴリウス暦」の採用 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    『宗教改革の真実』(永田諒一著 講談社現代新書 04年)を読んで、教えられたことの続きです。 現在、暦(こよみ)というものを、何の疑問もなく使っていますが、昔は大問題だったらしいです。ちなみに、過去の時の流れを「歴(れき)」、将来の時の流れを「暦(れき)」と呼ぶそうです。 教会暦って、そもそも何? 「教会暦」というものがあります。私はあまりそのようなことを重視しない背景で育ちましたが、それでも「クリスマス」「イースター(復活祭)」は話題になりますし、それにちなんだ行事があります。中世ヨーロッパは、いまと比較にならないくらそれが重要だったのですね。そして毎年の祝日制定は、おかかえ天文学者のいる教会が指導権を握っていました。 宗教改革時代の初期、ヨーロッパではユリウス暦(ローマ暦、太陽暦の一種、ジュリアス・シーザーが制定)が、ずっと使われていました。ところが困ったことに、季節と暦が徐々にずれて

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  • 宗教改革が当時の市民に与えた影響とは | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    昨年後半は、新刊書の原稿読みのために、ほとんど読書から遠ざかってましたが、昨年からぼちぼち読み始めたものに『宗教改革の真実』(永田諒一著 講談社現代新書 04年)というものがあります。(リンク先アマゾンの読者評もご参照を) 副題が「プロテスタントとカトリックの社会史」とありますが、この「社会史」とは比較的新しい学問のようです。あまり変化の大きくない日常生活の考え方、観念、市民生活の姿を文献研究するようです。 私にとって興味深かったのは、「宗教改革を推進した言われる活版印刷はどれほど読まれたのか」「聖像、聖画破壊運動の実際」「改革後の修道士や聖職者の結婚」「宗派の異なる男女結婚」「グレゴリウス暦導入の際の混乱」などに関係することでした。新書判なので、それほど多くの事例に触れてないし、地域も限定されるのですが、ドイツの市民生活に及ぼした影響の一端に触れることができました。 著者は、当時、ま

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  • スピリチュアルとは何か(野村先生の講演から) | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    またまた、ブログ友達のお鹿さんから有益情報をいただきました。ありがとうございます。前回の記事、FEBCのネット放送に登場している野村祐之先生の講演内容がネット上で公開されています。(「スピリチュアル・ペインをめぐって」2002年の資料らしい) 「スピリチュアリティとは」「スピリチュアルとは」といった問題が、とても明快に分かりやすく説明されています。(全部で7頁あるので読むのが大変ですが。) そもそもの発端は、WHOの健康の定義として、「スピリチュアル」という用語が採用にされそうになったとき、「それに該当する日語は何か」という問い合わせを各機関から受けたことから、「スピリチュアル」をどう解説したらよいかの模索が始まったようです。 このキリスト教用語を、キリスト教文化の背景と語彙を持たない日人に、どうやって伝えるかという難題への一つの解答がここにあると思います。言葉は、文化歴史を背景にし

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  • 中村先生の翻訳教室に通っています(その1) | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    中越地方でひどい地震がありましたね。昨日の午前、横浜で感じた揺れで相当大きいと判断しました。被災者への援助がスムースにいきますように。支援物資は企業から受けるが、個人からは受けないのだとか。以前の経験からそうするのだそうです。 中村先生の翻訳教室 翻訳というものを正式(それがあるかどうか知らないが)に学んだことが、私にはありませんので、今年の五月から試しに講座を受けてみることにしました。短期間ですが。 自由学園・明日館の主催による講座で、月二回、四ヶ月のコースです。講師は有名な翻訳家、著述家の中村妙子氏です。中村氏は、この場所以外では、翻訳を教えておられないとか。 C.S.ルイス、アガサ・クリスティ、小説、キリスト教文学、どの訳を読んでも、訳文は分かりやすく、イメージ豊かで、優れた訳者として知られています。ファンも多いことでしょう。 場所は池袋駅から歩いて10分くらいのところにある有名な

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  • 名前を呼ばれて子どもは育つ | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    今から何年も前、わが家に初めて赤ん坊がやってきたときの想いを書いたエッセーです。 赤ちゃんがやってきた わが家は今、一歳に満たない娘を中心に回っている。 娘が産院からわが家にやって来たときから、私との関係は「夫と」ではなく「娘の父と母」という関係に変わってしまった。 小さな子どもは誰も可愛いが、男にとって、人前で他人の赤ちゃんをあやすことはかなり気恥ずかしい。強さを目指して生きてきた男にとって、 柔らかくて簡単に壊れてしまいそうな身体に触るのはじつは怖いのだ。だから、赤ちゃんが目の前にいても、かなり距離をとり、遠くから眺めることが多い。しかも、 デレデレした態度を人目にさらすなんて、とんでもない! しかし、自分の子どもとなると逃げられない。そして、やっとのこと、人目を気にせず、幼い魂と向き合える個人的な時間ができる。そこに開ける未知の世界! これが人間の姿の原点なのか。 ありのままの素

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  • 自分を知る:「時間と人格」(2) | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    前回に続きます。この問いの目的は、自分を追いつめて、「だめじゃないか、もっとがんばれ」と責めたてるためではなく、あくまで「神の前で、自分を知る」ことに意義があります。生産性を高めたり、能力を高めたりするためでもありません。 では、自分を知ってどうなるのか・・。それは、そのときに分かることとして、楽しみに待ちましょう。何かが起こるかもしれないし、何も起きないかもしれません。 ただ、自分の意志で自分を変えたいと思って懸命に努力しても、一時しのぎか逆効果になってしまうことが私の場合多いです。「わかっちゃいるけどやめられない」というわけです。 自分を正しく、現実的に知ることは難しいですが、そこから見えてくるもの、気づき、新しい展望、自己認識の変換から、自分の心の底で永続的な変化の胎動が起こるのではないかと思います。 [ ]内は、私自身のための自作の問いです。 ●自分はスロー(慎重)か、せっかち(素

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  • キリスト教界の一致は可能か | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    前回の記事が長すぎたので、二回に分けました。以下が後半です。 尾山令二著『クリスチャンの和解と一致』をまとめてみると ・聖書信仰に立つグループの一致なら、それほどむずかしくない。 ・聖書信仰派(福音派、聖霊派)とリベラル派だけでなく、ローマ・カトリック、ギリシャ正教の人たちとは共通の信条があり、互いに異端ではないので、協力、一致は可能である。彼らもイエス・キリストを信じる仲間。 ということで、大いに希望が抱けそうです。 ただこれは、識者の間でささやかれていたことで、とくに珍しい結論ではないですが、意見として公に発表されたという意味で、意義があると思われます。 また、こうした点を主張する書か出版されたのは、現在、あまり協力関係が見られないから、ということなのでしょう。 これはちょっと 書の内容で、少し疑問に思えることもありました。二つだけ取り上げますと。 「エキュメニカル」という言葉 「

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  • 私と心の病 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    以下に書いたことを、いつここに載せたものか、ずっと迷っていました。「他の人からの同情が欲しいから」「自分に注目して欲しいから」という目で受け止められるのではないか……と。 しかし、私の周りでも心の病で苦しんでいる人が増えている現在、珍しいことではないと思い、自らの体験を載せることにしました。最近、ある団体の機関誌に載せたものの改訂版。 体重の減少 ある日、自分の体重が急激に減っていることに気づいた。朝がつらく、朝にほとんど手をつけられなくなった。一ヶ月を経て、体重が7〜8キロも減っていた。四ヶ月たったとき、ある友人が私を見て、「うつの症状ではないか」とヒントをくれた。 2004年3月から二年間、私の精神科通いが始まった。「軽うつ」「うつ状態」と言われる心の病だった。幸い夜は眠れたのでそれほど重症ではないが、この期間の闘病はなかなか辛いものだった。「なった人しか分からない」と言うが、その通

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  • 20世紀の宗教書100選 パート(5)No70-66 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    『クリスチャニティ・トゥデイ誌』が選んだ宗教思想書100選シリーズ第5弾です。邦訳を発見する調査がなかなか大変。訳されてないのもありますし。 各書の解説は、ネット上の資料をもとに、自分なりに短くまとめたものです。 タイトル冒頭の番号は、「パート(1)のベスト10」以外順位ではありません。残り何冊かを示すためです。 70 『アルコホーリクス・アノニマス』 (A5版 3000円 625ページ) The Big Book of Alcoholics Anonymous 1939年に初版が発刊。世界中に普及していて、アルコール依存症からの回復への力となっている。第一部が解説、第二部に個人の回復の物語(体験談)を収録。 訳はサイズによって三、四種類あるらしい。ポケット版から大型版まで。邦訳のコンパクト版には、第二部は省略してある。人間の力を超えた存在を認め、自分の無力を認めることから始まる12ス

  • 20世紀の宗教書100選 パート(4)No75-71 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    『クリスチャニティ・トゥデイ誌』が選んだ宗教書、宗教思想書100選シリーズ第4弾です。 これらの文献は、クリ・トゥデイ誌が、その内容に賛同し、同じ立場をとるということではなく、これからの時代に重要な内容、問題提起を含んでいるという選定でしょう。 75 チヌア・アチェベ著 『崩れゆく絆』--アフリカの悲劇的叙事詩( 門土社) Things Fall Apart by Chinua Achebe  現在入手困難 アフリカの伝承物語の系譜に属する、わくわくするような魅力的ならしいです。著者はナイジェリア人(1930〜)。英語でのアフリカ文学の父。 それまで白人から見た黒人の文学しかないことに違和感を覚え、アフリカ人の目から見たアフリカ社会、アフリカ人を書こうとしました。キリスト教徒に生まれた彼は、欧米文化アフリカ文化の入り交じった中で育ちます。 『崩れゆく絆』では、主人公が怒りの感情から暴力

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  • 20世紀の宗教書100選 パート(3)No80-76 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    クリスチャニティ・トゥデイ誌が選んだ宗教書、宗教思想書100選(過去、キリスト教書100選としてきましたが、修正します)について、「これからの展開を期待します」とのコメントをいただきましたので、はりきって続きを書きます。ただ、一度に10冊は多いので(私も調査する時間が・・・)5冊ずつの紹介にすることにします。 80 ハイム・ポトク著 『選ばれしもの』(ハヤカワ・ノヴェルズ) The Chosen by Chaim Potok (邦訳絶版) ユダヤ人作家(ユダヤ教徒)。私は最近、ナウエンのを訳していて、初めて知りました。ところが、その何年も前、「この面白いよ」と洋書でもらって私の机の上にそのままにしてあったのがこのThe Chosenでした。あれまー。不思議なつながりを感じます。 記憶力抜群の子どもをさずかった人の物語。その父が沈黙で息子に伝えるものとは・・・。涙なしに読めない感動作のよ

  • 20世紀の宗教書100選 パート(2)No90-81 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    現代の古典ということで、しばらく考えていましたら、Chritianity Today誌がしばらく前に発表した20世紀が生んだ宗教書100選のことを思い出しました。 「現代の宗教思想を深めていくためにも、キリスト教の信仰、キリスト教会の重要性、有効性を示す上でも重要な文献」ということで、クリスチャニティ・トゥデイが推薦した100選です。なかでもベスト10は、以前、このブログで紹介しました。そこで、その他の90冊を10冊ずつにして、たまにブログで記事にしてみようかと思います。 ベスト10には、順位があったのですが、残りの90冊には順位がついていません。ここでは、日で手に入りやすいものからランダムに10冊ずつ並べてみることにします。神学書、文芸、研究論文、哲学、あらゆるものが混じっています。 90 遠藤周作『沈黙』(新潮文庫)540円 キリシタン迫害の時代を描く緊張感あふれる小説。神の不在、沈

  • 20世紀の宗教書ベスト10 | 本を枕に-スピリチュアルな日々

    アメリカの福音主義陣営の月刊誌「クリスチャニティ・トゥデイ(Christianity Today)」が、たしか二年くらい前に、現代の宗教家、宗教思想家の著作で、時代を超えて重要だと思えるものを100冊を挙げたリストを載せていました。読者とキリスト教界の指導者が選んだものです。さらにそのうちのベスト10がリストされていました。面白いと思ったので以下にあげてみます。 トップ10は、重要度の順に並べてあるそうです。これらは、キリスト教信仰と教会のために重要な書物と評価された20世紀の宗教書(信仰書)の代表です。少しわたしなりのコメントと、いま日で手に入るかも調べてみました。 (1)Mere Christianity C.S.ルイス著 『キリスト教の精髄』 新教出版社 2940円(別訳でも出ている模様) 祝第一位! 著者はアイルランド人。プロテスタント。ナルニア国物語で、日でもたいへん有名。そ

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