表面処理のニーズが高まっている。性能や品質を一層高めるべく、ギリギリを突いた「限界設計」が求められていることが、その背景にはある。「技術者塾」において「失敗しない設計」講座を持つ岡本邦夫氏(テクノサポートオーテス代表、ワールドテック講師、愛知工科大学 工学部 非常勤講師)に、表面処理技術のトレンドや、気をつけるべきトラブルなどを聞いた。(聞き手は近岡 裕) ──最近、注目されている表面処理技術を教えてください。 岡本氏:最近、レーザーを使う表面処理が注目されています。例えば、潤滑性を高めるための表面処理。これまではショットピーニングを使い、いろいろなビーズを部材(ワーク)にぶつけて凹凸状のディンプルコートを作製。こうして「油だまり」を作り、潤滑性を向上させていました。このディンプルコートの加工をレーザーで行うのです。 レーザーを使って部材の狙った箇所に、狙ったパターンの凸凹を作る。こうした