名古屋大学(名大)は、カーボンナノチューブ(CNT)のみでトランジスタや配線を構成した「全カーボン集積回路」を実現したと発表した。 同成果は、同大の大野雄高 准教授らとフィンランドのアールト大学のエスコ・カウピネン教授らによるもの。詳細は、英国の科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。 これまで研究グループは、CNTを用いた集積回路の研究として、透明なプラスチック上に高性能なCNT薄膜トランジスタや、それを用いた集積回路などを実現してきたほか、より高い柔軟性や伸縮性を実現することを目指して、配線材料や絶縁膜材料の探索なども行ってきた。 今回の研究では、電極・配線材料いもCNT薄膜を用い、また絶縁膜材料にアクリル樹脂を用いることで、柔軟で透明な全カーボン集積回路を実現したほか、全カーボン集積回路が立体形状に熱成型可能であることを確認したという。 具体的に実現された
パナソニックは2013年7月30日、ReRAM(抵抗変化型メモリ)を混載したマイコンを、業界に先駆けて2013年8月から量産すると発表した(関連記事)。ReRAMは、ストレージ・クラス・メモリ(SCM)やNANDフラッシュ・メモリ代替などをターゲットに、世界中の半導体メーカーが競って開発を進めている次世代メモリである。その量産化で、パナソニックが先陣を切ることができた理由は何か。同社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社でマイコンなどの半導体事業を統括する多那瀬寛氏(パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 セミコンダクター事業部 システムインテグレーション 総括)に聞いた。 ─韓国Samsung Electronics社など名だたる半導体メーカーが長年、ReRAMの開発を進めてきた。パナソニックが量産化で一番乗りを果たせた理由はどこにあるのか。 多那瀬氏 当
1999年12月にNECと日立製作所のDRAM合弁会社エルピーダメモリ(当時はNEC日立メモリ)ができたときのことである(大変古い話で恐縮ですが)。私は、2000年2月にNEC相模原内のエルピーダ・プロセス開発センターに出向して、同様にNECから出向してきた技術者と一緒にDRAMのプロセス開発を行った。 そのとき、会社が違うと、仕事のやり方がかくも違うものなのかと驚いた。DRAMのプロセスフローは、500工程以上になるが、その各工程で使用する装置が違うとか、そのプロセスの毛色が違うとか、そういったことではない(もちろん、それも違うのではあるが)。プロセス開発の方針と言うか、哲学がまるで違うのである。 簡単に言えば(よく言えば)、NECは「均一性第一主義」であり、日立は「新技術優先主義」であった。悪く言えば、NECは「病的なまでの潔癖完璧主義」であり、日立は「新技術オタクの一点突破主義」であ
LSI配線技術に関する国際会議「IEEE International Interconnect Technology Conference(IITC)2013」が2013年6月13~15日に京都リサーチパーク(京都市)で開催される(IITC公式サイト)。IITCは今回で16回目を迎え、日本で開催されるのは4年ぶり2回目となる。 IITCでは通常のLSI多層配線技術に加え、3次元LSIやメモリ、MEMS、有機デバイス向けの幅広い配線技術を対象としている。配線分野としては参加国、参加者、論文数のいずれも「世界最大規模」(IITC委員)であり、今年は200人以上が参加する見込みとする。なお、2012年の参加者数は232人だった。 基調講演では、台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)のR&D, Integrated Intercon
電子技術専門誌『日経エレクトロニクス』が実施した分解調査から見えた「iPhone 5」の進化の秘密とアップルの“部品力”、そしてアップルの新たなビジネスモデルに迫る本連載。最終回は、iPhone 5に搭載したプロセサ「A6」の内部構造を解説する。 「iPhone 5」のプロセサは「A6」と名付けられている。アップルが自社開発したプロセサを最初に搭載したのは、2010年に発売した初代「iPad」だった。iPadに搭載したプロセサ「A4」を同年発売の「iPhone 4」にも採用、2011年に発売した「iPhone 4S」には第2世代の独自プロセサ「A5」を搭載した。第3世代品となるA6について、アップルはCPU性能とグラフィックス性能をA5に比べてそれぞれ2倍に高めたと説明している。 抜本的に変わったプロセサの設計 「日経エレクトロニクス」が外部の協力を得てA6の内部を観察した。するとA6の設
「デジタル・スピーカー」の技術を持つTrigence Semiconductor社の二人の技術者に、アナログとデジタルの新しい関係を聞いた。インタビューの後、同社は、米Intel社の投資部門Intel Capitalから出資を受けた(関連記事)。 振幅の変化が連続的でアナログ的な動作をするスピーカーを“デジタル化”しているとは、どういうことか。 「スピーカーをD-A変換器として使っている」と、同社取締役の安田彰氏はデジタル・スピーカーの原理を説明する(図1)。 既存の一般的なスピーカーは、一つのコイルで振動版(コーン紙など)を動かして空気を振動させる。振動を制御するのは信号のレベル(電圧の高さ)だ。今回のスピーカーは、いくつかのコイルを使って音のパワーを制御している(図2)。具体的には、複数のコイルを入力データ(音源)に応じてオン/オフさせ、入力インピーダンスを離散的に変えている(図3)。
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